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【社員インタビュー】1人1人がセールスファネル全体のことを考えて動く

今回のInterviewees:
坂本 祭太(さかもと さいた)
高田 亮介(たかだ りょうすけ)

まずはインサイドセールス以前のキャリアについて教えてください

高田

私の最初のキャリアは、父がアパレル業界を中心にアプリ開発等の仕事をしているということも影響して、アパレル企業でした。まずは百貨店を中心にマーチャンダイザーとして店舗での経験を積んでいたのですが、時代の流れとしてはちょうどEC化の大きな波がきていたところで、ブランド力を背景に店舗で売っていくのが主体の時代から、ECプラットフォームや自社サイトなども駆使して販売チャネルの増加とWebマーケティングが重要な時代になっていく過渡期でした。

その中で今後の自分のキャリアについて考えた時に、よりITやテクノロジーに近いところで働いていきたいという思いがあったのですが、IT業界は未経験だったので、まずはそれまでの接客経験など活かして営業職として人材派遣会社に転職しました。

そこでは営業電話から顧客企業とのやりとりと定期的な訪問、稼働している派遣社員の方々のサポートまですべて自分でやるというスタイルだったので、非常に幅広い範囲で仕事ができた一方で、仕事の進め方は各営業によってまったく違うような、良くも悪くも属人的な仕事のやり方でした。

また、お客様企業は製造業中心だったので、客先訪問も新規開拓も都心ではなくて郊外にある工場に車で出向くことが多く、毎日のように100km以上運転しているような日々でした。そういった肉体的にもハードな営業環境だったわけですが、BtoBの営業職という意味でそれなり経験を積むことができたので、次はよりITやテクノロジーに直接関わる環境で営業をしていきたいと思っていた時に、前職のビズリーチから声をかけられて転職することになりました。

坂本

実は高田さんにバックグラウンドが似ているのですが、自分の父もアパレル企業に勤めていました。その影響もあって私が最初に勤めたのは繊維商社だったのですが、とてもトラディショナルな環境でまずは修行した後に、シェアオフィスを運営する不動産ベンチャーに入りました。当時まだ30人くらいの規模の会社で、幅広い業務を任されてやっていたのですが、不動産という商材の性質上物理的な要素も強く、より自分自身が影響を与えられる商材やプロダクトを扱ってみたいという思いはありました。

そんな中、高田さんと時を同じくして前職のビズリーチに声をかけられて入社することになるのですが、当時はまだセールスファネルを採用した組織は日本のスタートアップ界隈においてはそこまで一般的ではなかった中で、ビズリーチにはインサイドセールスチームがあり、各ファネルで業務効率化しながら営業活動を進めていて、興味を引かれて入社しました。

ファネルセールスについて

高田

ファネルセールス体制がうまくいくかどうかは、その企業の事業規模であったり事業戦略に依存するところは大きいと思いますが、当時のビズリーチは急拡大中で毎月のように新入社員が二桁入ってくるペースがしばらく続いているという状況でした。

また、各人が持つ目標数字も非常に高かったため、個人個人が属人的な方法でキャッチアップしようとしたり、独自なやり方で営業活動をしたりするよりも、ちゃんと先人のベストプラクティスを体系化し、それを効率よく学習できるようなプログラムにしてオンボーディングすることで、毎月入ってくる新入社員たちがいち早く戦力化するという仕組みをつくる必要がありました。

そして、体系化されたナレッジやプラクティスが、繰り返される中でさらにブラッシュアップされていくということをやっていくと、各ファネルにおけるアウトプットの最大化がよりスムーズに行えるという仕組みです。

また、そういった各ファネルでの最大化と併せて、弊社の場合は弘中さん(弊社CRO)のようなファネル全体を俯瞰して見て売り上げの最大化のためにボトルネックになっているようなところはないかを随時確認したり、テコ入れしたりする責任を持つ人も重要になってくると思います。

坂本

まさに高田さんが説明してくれたとおりの環境で私たちのインサイドセールスとしてのキャリアが始まったわけなのですが、入社してから数ヶ月はとにかく目の前の目標数字との戦いが正直なかなか大変でした。業界知識も早急につけていく必要もあったので、ラーニングカーブは非常に急だったと思いますが、一方で初めてのIT業界ということもありエンジニアの採用要件ひとつとっても最初は知らない言葉も多く、実戦において戸惑いながらも学んでいったという感じです。

高田

自分もそうですね。また、当時はまわりのメンバーも20代中盤くらいの若い人たちが多かったということもあり、そもそもの架電の仕方であったり、しっかりとしたヒアリングシートを作成してそれに基づいて架電するとか、ヒアリングした内容をどのようにSalesforceに入力していくか、そしてその後どうやってフィールドセールスの人たちに伝えていくかなど、そういったことを若手のメンバーたちにステップバイステップで教えていく必要もありました。

坂本

当時の組織体制としては、セールスサイドに新入社員が入ってくるとまずはインサイドセールスに入ってオンボーディングし、そこで実績を出してからフィールドセールスに移るか、またはインサイドセールス内のマネージャーになっていくというキャリアパスが用意されていました。

Salesforceの組織でも取り入れている仕組みですが、誰が入ってきても一定以上の成果が出せるような状態に仕上げられるような初期プログラムを用意し、プロモーションをしていくスタイルです。

入って間もなく複数のプロダクトをセールスするという状況だったので、とにかくまずは知識を詰め込まないといけないと頭でっかちになってしまったところがありました。

例えば企業様に架電して採用ニーズをヒアリングする際も、エンジニアだとすぐに技術スペックなどの細かい話をしてしまったりしがちだったのですが、実際は最初にお客様がそもそも何に困っているのか、採用のどういったところに課題を持っているのかということをしっかり引き出さないと、結果としてずれた提案をしてしまうことになります。

高田

坂本さんが言ったとおりで、最初は私もとにかく量をこなすというところから始まりました。やっていくうちに、フィールドセールスの人たちが喜んでくれるのはどういうパスを送れた時なのかということも徐々にわかるようになっていきましたし、それは自分がお客様とどういった会話ができたときなのか、ということもブレイクダウンできるようになりました。

自分の中で手応えを感じる成果や改善ができた時はすぐにそれをまわりにも共有して、さらにそれを他の人たちがブラッシュアップしてまた共有してもらって、というふうにチーム内でも助け合いながらより高いアプトプットを目指していくというふうに仕事をしていました。

効果的なアポイントの取り方

高田

セールスの仕事をしている人たちにとってはごく基本的なことですが、架電前にしっかりその企業のことを調べて仮説を立てておくというのは、本当に大切なことだと常々感じています。前職に入る前からもそれはやっていたつもりでしたが、前職からはより丁寧にやるようになりました。

今その企業がどういった課題を抱えているのか、それに対して自社のプロダクトやサービスを利用してどう課題解決に貢献できる可能性があるか、可能性があるのであればそれを冒頭でどう効果的に提案できるか。そういった仮説を組み立てた上で電話をかけるということですね。

もちろん仮説はあくまでも仮説なのではずれることもあるわけですが、そういったケースでも「うちはそういう課題はないんだけど、実はこういう課題があって、、、」と電話口の担当者の方が話してくださることも多々あります。もちろんそれでも相手にしてもらえない場合もありますが、こちらが先方の企業課題について真剣に考えてアプローチしたのだということが伝わると、会話の糸口が見つかることも多いと実感しています。

最初に「また営業電話か」「どうやって断ろうか」というトーンだったのが、仮説をふまえて1ターン話した後は、実際のアポイントにつながるような会話になっていることがよくありますね。

坂本

別の観点で言うと、例えばビズリーチでの採用支援のサービスでよくあるパターンの1つとして、サービスには興味を持ってくれたけれど今すぐは採用ニーズはない、というのがあると思います。こういう場合は、即受注というわけにはいかないものの、その後しっかりナーチャリングしながらタイミングを見つつフォローアップしていくことで、ファーストコンタクトから一定期間寝かせた後に受注に至るということがよくあります。インサイドセールスとしては、何でもかんでも短期的な受注に持っていこうとするのではなくて、お客様のタイミングもしっかり見ながら、ナーチャリングとフォローアップしていくということが大切だと感じています。

インサイドセールスの役割とスキル

坂本

インサイドセールスにミッションの1つは、やはり商談の創出だと思います。ただ、単に多ければいいというものでもなくて、いかに業績にインパクトのある商談なのかという、クオリティの部分がより大切です。

そして、先程の話に重複しますが、そういったお客様を短期的にクロージングに持っていけるようなパスをフィールドセールスに送るということだけでなく、しっかりナーチャリングしてしかるべきタイミングでフォローアップしていく管理能力も同じくらい大切だと感じています。

インサイドセールスと言うと電話口のトークスキルに目がいきがちになりますが、それだけでは十分とはいえず、安定して成果を上げられる行動量をキープすること、そしてSQL (Sales Qualified Lead) と呼ばれるリードを適宜ナーチャリングしてフォローアップしていく管理スキル、それらの3つがしっかり合わさったところに高いアプトプットが生まれてくると思います。

高田

まさにそうですね。自分の課題を見つけるために、トーク、行動量、リード管理、そのどこに課題となっている点があるかを見極めていくと、自分の改善点が見えてくると思っています。トークは問題ないのに数字が伸びなければ、アクティビティが足りてるのかどうか。アクティビティも足りているのに成果が出ないとなれば、それはアプローチすべきお客様にアプローチすべきタイミングでできていないからかもしれません。そうやって1つ1つ自分のデータを見ながら課題を発見していくスキルが必要になると思っています。

また、架電における課題については、Miitelのツールを使って録音したものを成功例・失敗例として皆で共有してベストプラクティスを磨いていったり、ロールプレイングを使って練習を重ねることもありました。

坂本

前職では圧倒的に量をこなすということが非常に大事だったのですが、弊社においてももちろん量は大切でありつつも、今はより事業やプロダクトが早いペースで変化していっているフェーズで、自分の提案内容や注力すべき業界やお客様も日々変化していくので、それに柔軟に対応していくというスキルが求められていると思っています。

今できていること、さらにやっていきたいこと

高田

セールス全体の戦略を立てていく際に、セールスのマネージャーだけでなく経営陣も含めてディスカッションさせてもらっていますが、単に決まったことが上から下りてくるという形ではなくて、自分たちも戦略立案の段階から関わっているので、その分責任も感じるわけですが、同時にとてもやりがいがあるなと思っています。

もっとやっていくべきことで言えば、チームをまたいだ連携はさらに強めていくことができると思っています。例えば、我々インサイドセールスが日々ヒアリングしている顧客ニーズをもとに、マーケティングでどういったコンテンツをつくっていくことでより優良な顧客に刺さるようなマーケティング活動ができるのか、どうSQLのクオリティを上げていけるのか、という点でまだまだマーケティングと協力できるところはあるのではないかと思っていますが、現状マーケティングも我々もそこまでやるリソースがないという感じになってしまっていますが(笑)

また、カスタマーサクセス・ケアとの連携で言えば、活用事例やQ&Aなどを充実させることで継続率を改善させられるかや、いかにファンになっていただいてお客様リファーラルにつなげられるかなど、打てる手はまだまだあると思っています。

インサイドセールス単体で考えても、インバウンドとアウトバウンドではやはり前者の方が圧倒的に商談化率や成約率が高いわけですが、だからといって優良インバウンドが入ってくるのを指をくわえて待つのではなく、先程触れたマーケティングチームとの協力や、そういったインバウンドSQLをつくるためのイベントやセミナーを企画したりなど、SQLをつくりにいくという動きも更に増やせると思っています。

坂本

昨年はとにもかくにもチーム一丸となって、より多くのSQLを創出するということに注力してアウトプットした期間でしたが、今年はよりチーム間連携を深めていくというフェーズにきているなと痛感しています。

高田さんが言ったように、インサイドで得た顧客ニーズの情報をもとにマーケティングチームでターゲティングしていく企業群をファインチューニングしていくというような動きはやっていくことになると思っていますし、楽しみですね。

今後の目標

坂本

まず、これは弊社に入社した理由の1つですが、今後のモビリティ業界全体の進化の可能性がとても大きく、そしてその中において弊社がしっかりと存在感を出していくことができるのではないかと感じたということがあります。その過程で自分自身がどれだけそこに貢献できるか、そのためにできることは何でもやっていきたいと思っているので、それが当面の目標です。

高田

すでに坂本がほとんど代弁してくれたのですが、弊社で仕事をすることの楽しさや可能性ということで付け加えるなら、やはり一緒に働いている人たちかなと思います。同じ目標を目指して共感できるところが多いなと感じています。
そして、まさにモビリティ業界全体を後押ししていくような気持ちで仕事に取り組めていると思います。

仕事をする上で今後ますます意識していきたいと思っていることとしては、弘中さん(弊社 Chief Revenue Officer)がよく言っていることですが、チームのひとりひとりが自分がCROだと思って仕事をしていくべきだということで、自分の持ち場だけでなくファネル全体を見渡す視点を持って仕事に取り組みたいと思っていますし、それによって自分の持ち場の最適化ではなくファネル全体のアウトプットに意識を向けられるようになると思っています。

オススメの本

坂本

これからファネルセールスやインサイドセールスのことを勉強したいと思っている方には、現在弊社の社外取締役でもある福田さんの「THE MODEL」は必読書なのではないかと思います。

「THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス」
福田 康隆 (著)

また、私も高田さんもお世話になった方でもありますが、インサイドセールスのエバンジェリストでもある茂野さんの本は、ファネルの中でも特にインサイドセールスに焦点を当てた内容なので、こちらもオススメです。

「インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド」
茂野 明彦 (著)

高田

坂本さんが紹介した2冊はたしかに必読書だと思います(笑)さらに1つ営業関連で示唆のある本ということで付け足すとすれば、あとはチャレンジャーセールスモデルという洋書があります。
内容的にはややアグレッシブなものも含まれているのですが、実際に営業のスタンスとして学ぶべきことがたくさん盛り込まれている本だと感じています。

『チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」 』
マシュー・ディクソン (著), Matthew Dixon (著), ブレント・アダムソン (著), & 4 その他

 

 

 

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