今回は、今年9月に正式リリースを控えている(現在はリリース前のモニター期間中)コンシューマー向け新サービス「SmartDrive Families」がどんなふうに誕生したのかという話をシェアしたいと思います。
3日でサービスをつくる
そもそものはじまりは、新年最初のミーティングで弊社代表の北川から「見守りサービスつくりましょう!」という掛け声が上がったというのが発端でした。それをつくるための短期集中開発をやりましょう、と。
参加メンバーは法人向けサービスをつくっているチームから募って、開発期間は「3営業日」という設定でした。一応通常業務もある中でのことなので、実際にどこまでできるか未知数だったものの、一旦この時間軸の中で現実的なものをつくってみようという流れでした。
まずは一旦事業側の責任者の方でざっくりと「こんな感じのサービスを想定しています」という要件をプロジェクトメンバーに共有し、エンジニアチームはその要件を満たすものをこの期間内でどのように実装して実現できるか、という認識合わせをしていきました。
ちなみに、そもそもの前提として、サービス自体をゼロから立ち上げるというのではなく、すでに自前で持っているプラットフォーム基盤を活用するということがありました。車からデータを取得する車載デバイスもありますし、取得したデータの受け皿も、APIやライブラリもすでに開発・運用しているものがあったので、それらをフル活用しました。つまり、新しく開発しなければいけないのは主に「どういうデータをどう表示するのか」という部分でした。
ただ、仕様としてそれなりに詰めて考えなければいけなかった点として、見守られる対象が複数人になったときにどうなるのか、通知を受け取りたい対象エリアも複数ある場合にそれぞれの組み合わせをどう考えるかなどを、見守っている状況を想定しながら網羅的に考えていきました。
初日はそんな感じで要件定義と、仕様の認識合わせなどをやって終了。2日目からは本格的に実装をしていきました。
実装していく中で、たとえば通知が出るはずの指定エリアに車が入ったのに通知が出てこないとか、逆にそのエリアを出たのに通知がこないなど、細かい修正などはやっていき、フロントは最低限の見た目と機能でつくりあげていきました。
結果的には、3日+1日(ロスタイム的な)で現在の SmartDrive Families のほとんどすべてが出来上がった形になりました。もちろんそこから細かいブラッシュアップや、正式なデザインを当てていくということはあったものの、プロトタイプ以上のものがほぼ3日で完成した形になりました。
プロダクトローンチに向けて
弊社としては、冒頭に書いたとおり、今回は「見守りサービスをつくる」という明確な目的はあったわけですが、それと同様に実証したかったこととして、「弊社のプラットフォーム(デバイス + データ基盤 + API)を使ったらこんなに簡単にサービスが立ち上げれちゃいますよ」という事例を自社でつくってしまおうという試みでもありました。
このプロジェクトに関わったエンジニアたちも言っていましたが、「車の位置情報がリアルタイムにわかるというのはおもしろいし、いろんなサービスへの活用方法があるはず」で、サードパーティーに弊社のプラットフォームを利用していただければ、数日〜1週間程度でもそれなりのサービスができてしまうんじゃないかと思います。
ただ、現状はAPIの一般公開は準備中であるためまだご利用いただけないのですが、今後の公開に伴い、ぜひ多くの企業様に様々な位置情報・移動関連サービスをつくって公開していただきたいなと思っていますのでご期待ください。
SmartDrive Familiesは、そんなプラットフォームから生まれた、記念すべき第一号のプロダクトとして世の中に出ていくことになるので、私たちとしても非常にドキドキワクワクしています。
最後に
SmartDrive Families というサービスは、「見守りサービス」ではあるものの、本質的には「家族のつながり」を促進するようなサービスであって欲しいという思いがあります。
特に最近では、都心部と地方など、離れて暮らす親子はたくさんいます。「会ったとしても盆や正月くらい。あとはたまに電話やメールくらい」というのが一般的かもしれません。
そんな中で、「見守るという」行為が、親子間における日常のちょっとした話題の提供であったり、連絡できないときも気にはかけてるんだよという思いの体現であったりして、些細なきっかけや話題が家族のつながりをサポートしているような、そんなサービスになることができればと思います。
現在は無料モニターの方々にご協力いただきながら最終的なブラッシュアップ中ですが、8月には先行予約開始、10月中には一般販売開始というスケジュールで、ご興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね。
関連記事
-
【社員インタビュー】既存スマホアプリをFlutterに切り替・・・
− まずは簡単に自己紹介お願いします 宮木: 宮木修平と申します。スマートドライブでモバイルアプリエンジニアをやっています。受託開発企業、モバイルアプリ開発パッケージの運営企業を経て、スマートドライ … 詳しく読む
-
【社員インタビュー】”間を繋ぐ”ことがモビリティデータコンサ・・・
スマートドライブでモビリティデータコンサルタントとして活躍する山本ですが、意外にもそのキャリアはデータアナリストやサイエンティストからスタートしたものではありません。様々な業界でのマーケティングやDW … 詳しく読む
-
API開発はユーザーとの距離があるからこそ、顧客理解が重要
スマートドライブには様々なバックグランドを持った社員が多く働いています。この記事ではフィンランド出身のバックエンドエンジニアについて紹介します。 日本で働きたいと思った理由、来日してからの苦労、そし … 詳しく読む