こんにちは。スマートドライブ人事の永井です。
ご報告が遅くなってしまいましたが、弊社は今年3月15日から東京ミッドタウン日比谷のオフィスビル内に入っている、三井不動産が提供する法人向けシェアオフィス「WORK STYLING」に移転し、*ハイブリッドワークしています。(*リモートワークとオフィスワークを組み合わせた働き方を弊社ではこう呼んでいます)
今回のエントリーでは、コロナ環境下におけるオフィス移転で社内で検討した内容や、新オフィスの様子、その後の働き方のアップデートなどを、写真も交えてご紹介していこうと思います。
オフィスありなし選択肢のメリデメを考える
まず、なぜオフィスを移転したのかという理由ですが、以前のオフィスの契約がそもそも今年5月までだったというのが理由です。契約終了タイミングをふまえて去年(2020年)の8月頃から移転先を探し始めました。ちなみに、前のオフィスは2019年10月に入居し、社員増員もふまえて100名程度の組織規模を想定した広さと内装だったのですが、2020年1月頃からはすでにコロナウイルス(以下コロナ)が世界中で深刻化し始めるという事態になり、4月頃からは全社的なリモートワークに移行していったので、せっかくの新オフィスをフル活用できずにコロナになってしまったという状況でした。
そして、気づけばあっという間に次の移転先を探し始めないといけないタイミングになってしまい(前のオフィスはビル側の都合により定借契約で短めでした)、コロナ環境下において次のオフィスを考えなくてはいけないという状況に迫られたわけですが、弊社のみならず、2020年は本当に多くの企業がオフィス契約を見直したり、オフィスの使い方、あり方に何らかの変更を加えた会社が多かったかと思います。
弊社において2020年7-8月当時のコロナの状況から考えたのは、今後コロナがどう収束に向かうのか、そもそも本当に収束し得るのかという疑問も含め、先行きがまったくわからず、今後また(遠くないうちに)社員全員が毎日オフィスに出社して一緒に仕事をするという「beforeコロナ」の状況が戻ってくるのかが予測不可能だったため、当面は戻ってこない想定でオフィスを検討しようということになりました。
当時メディアではオフィス解約に踏み切った会社のエピソードや、本社機能を都内から地方に移管したりなど、「脱オフィス」や「脱大都市エリア」という動きが取り上げられることも多かったと思います。また、オフィス解約までとはいかずとも、大幅にサイズダウンしたという話も目にとまりました。まさにコロナきっかけでオフィス自体の存在意義も見直される、そんな年になったのが2020年だったのではないでしょうか。
その中で、弊社が次のオフィスに求めることを考えた時に、社員の出社頻度を考慮するとサイズダウンはそれなりに可能だろうということは念頭にあったのですが、オフィスなしという選択肢も含めて考えてみました。
基本的には以下の3つのオプションで検討しました。
① オフィスなし
【メリット】
・オフィス賃料がゼロに!
・賃料に費やしていたお金を事業に回すことができる
【デメリット】
・対面でのミーティングや来客の際は、別途スペースを借りる必要がある
・社員同士が直接顔を合わせる機会が皆無に近くなってしまう → オンボーディングやチームビルディングにも影響がありそう
② オフィスあり、サイズは縮小、内装工事あり
【メリット】
・賃料削減
・オフィスでのミーティングや来客にも対応できる
・内装費はかかるが好きなレイアウトにカスタマイズできる
・オフィスワークとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークに対応可能
【デメリット】
・月々の賃料は削減できるが、初期内装工事費用が発生するため、内装費によってはサイズ縮小のコストメリットの効果が限定的になってしまう
・内装デザインやそれに伴う社内デザインチームの稼働などの工数が発生
③ オフィスあり、サイズは縮小、内装工事なし( サービスオフィス/シェアオフィス)
【メリット】
・賃料削減
・オフィスでのミーティングや来客にも対応できる
・初期内装工事費用がかからない
・ミーティングルームやラウンジスペース、アメニティなどは共用だが量質ともに比較的充実している(ケースが多い)
・社員のハイブリッドワークに対応可能
・内装工事がないので入居へのリードタイムも短い
・コンシェルジュスタッフのサービス
【デメリット】
・家具付きである分、月々の賃料が割高である
・コンシェルジュスタッフが常勤の場合は人件費が上乗せになる(②に比べて賃料は割高になる)
・ミーティングルームなど共有設備は他社の利用のあるため、使いたい時に使えない場合もある
弊社が移転先を決めるタイミングにおいては、すでに半年ほどの全社リモートワーク期間を経たタイミングだったということもあり、それなりの肌感をもって「オフィスあり・なし」のメリ・デメについて考えることができたと思っています。
リモートワークの最大のメリットの1つは、やはり「通勤」という時間も体力もそれなりに使う作業がなくなるということで、人によっては行き帰りで2時間程度(以上)の時間をセーブできたり、満員電車内で立って通勤・帰宅していた人たちは心身ともに負担がかなり減ったでしょうから、それは弊社に限らず多くの会社がリモートワークの大きなメリットの1つだと認識しているのではないかと思います。
一方で、出社してフィジカルに集まることがなくなる、またはその機会が極端に減ってしまったことで、チームとして物事を進めたり合意形成したりする際のコミュニケーションコストや課題も増えたということも、コインの表裏一体としてあるのではないかと感じています。Beforeコロナ時代にはあったオフィス内での雑談や、ミーティングの前後になされる行間を埋めるコミュニケーション、ちょっとした立ち話での確認作業、ランチや飲み会などでのやりとりなど、業務補完的なコミュニケーションが極端に減ってしまったことで、微細な誤解や解消されないまま残る疑問・疑念、社内情報格差、温度感のズレなど、塵も積もればでそれなりのひずみとなって問題になるような状況も増えたのではないかと思います。
そういった状況下では、①「オフィス完全解約」を選ぶというのはややエクストリームな選択肢に思えたので、現実的には②か③かで考えていったのですが、コロナで様々な計画を変更せざるえなかった状況下で、オフィス移転という事業には直接関係のないイベントにマインドシェアや工数を割きすぎない方が良さそうだという判断をして、サービスオフィス(内装済み、家具付きオフィス)かシェアオフィスで検討しようというふうに決まりました。
サービスオフィスやシェアオフィスは、自社オフィスに比べて毎月の賃料はどうしても割高になってしまうものの、契約期間や解約通知、敷金などの契約条件においては比較的柔軟性が高く、初期内装費用も発生しないので、初期費用は低く抑えることができるというメリットがあり、かつ今後世の中の環境がどう変わっていくのかも予測不能な状況においては、こういった柔軟性が高い選択肢がよりリーズナブルに思えたということも決定要因になりました。
最適なオフィスの広さとは
オフィスの方向性が決まった後、じゃあ最適な広さはどれくらいなのか、というまた別の難しい問いもありました。コロナの状況によっても出社のスタンスが変わってくる可能性が高く、かつ事業成長に伴った社員増加も一定考えておかないといけません。しばらくはサイズダウンしたオフィスで問題なくやっていけるだろうとは想像できたものの、実際にどれくらいまで縮小して問題ないのかというのは、一考の余地がありました。
ちなみに、以前のオフィスは250㎡くらいの広さだったのですが、これは100人程度の組織サイズに合わせた広さでした。ただ、コロナになり採用も当面は止めるという意思決定をしたということもあり、とりあえず当面は70-80名組織規模で適切なサイズを考えようということになりました。
また、社員の人数規模だけでなく、どのような頻度でオフィスに出社するのかにもよって必要が広さが変わってきます。毎日どの程度の出社を想定するのか、そのルールづくりなども同時に考えていきました。
その過程で、社員全員にアンケートを通して各人が思うパフォーマンスが最大化される出社頻度について聞いてみることもしてみました。すでにコロナによるリモートワークが半年経過していましたし、社員たちも慣れてきていて、自宅の仕事環境も整いつつあるというタイミングだったので、今後の働き方を想像できる状況だったと思います。
アンケートの結果としては、ほとんどの社員が「週1回の出社、残りはリモート」という回答でした(週2回以上で答えた社員もいましたが少数派でした)。一方で、個人ベースではそうであったとしても、チーム・組織としてのアウトプットが最大化させるためには本当に週1回の出社が最適なのかというのは、もう少し運用を通して見ていく必要があると考えました。
そこで、まずは週1回出社をベースとしつつ、チームごとだけでなく、他のチームとも出社タイミングが重なるように曜日を組み合わせたりなど、出社時はオフィスにいるからこそ効率が上がること(ミーティングや1on1など)やったり、合意形成や意思決定に絡むようなすり合わせ作業を積極的にするようにしようと話しました。
個人作業はリモートワークで黙々とやった方がオフィスよりも効率が上がるということもあると思いますので、そういった作業は引き続きリモートで行い、他の人が絡んでくるものはできるだけ対面コミュニケーションにレバレッジをかけて行うという、メリハリのある働き方をしていくことで、リモートの良さ、オフィスの良さ、その両方を取り入れた働き方ができるのではないかということで、このハイブリッドワークを始めました。
ハイブリッドワークを可能にするオフィスとしては、執務スペース自体はそれほど広さは必要ないものの、ミーティングルームは一定以上の数が確保されていることや、部屋になっていなくとも執務スペースとは別に雑談ができるようなスペースがあると良さそうだということ、あとはオンライン商談ができる静かな個室も若干あると便利だというようなことが要件としてあがってきました。
結果として、上記要件をすべて満たしていたのが、現在入居しているワークスタイリングなのですが、数多あるロケーションの中でも東京ミッドタウン日比谷は前のオフィスからも非常に近く、日比谷駅から地下で直結という便利なアクセス、そして前述の働き方をふまえた上でちょうど良さそうな広さの区画が空いていたという幸運も重なり、決めました。
ワークスタイリングは、備え付けのオフィス家具のクオリティもしっかりしていて、共用のラウンジスペースやミーティングルーム、そしてフォンブース(個室)なども充実していて、さらにはウォーターサーバーやコーヒー等のドリンク類、スナックなどのアメニティも設置されているので、オフィス環境としてとても快適です。
また、オフィスコンシェルジュの方々がミーティングルームや施設内を都度丁寧に消毒してくださっていたりなど、コロナ感染対策という意味でも良いオフィス環境だという印象でした。
ということで、移転後すでに3ヶ月以上経ちますが、これまでのところ快適に利用することができています。緊急事態宣言中は経営陣以外は全社フルリモートに戻して勤務していましたが、現状はまたハイブリッドワークで運用を再開しています。
Withウイルス感染症の時代へ
2021年7月現在、国内のワクチンの総接種回数は5,400万回を超え、高齢者の約7割、全国民の3割程度が一回の接種を終えているという状況だそうです。
一方、日本国内で確認された変異ウイルスとしては、イギリス型の「アルファ株」、南アフリカ型の「ベータ株」、インド型の「デルタ株」、そして直近ではペルーで猛威を振るっている「ラムダ株」などがあり、都内でも感染者数が下げ止まってややリバウンドしていたり、まだまだ予断を許さない状況にあります。
世界各国を見ても上記変異ウイルスとの戦いが行われ一進一退の状況が続いているように見えますが、マスク着用、消毒や検温、ソーシャルディスタンス、オンラインでの商談やミーティング等、こういった行動が社会のデフォルトである時代が今後もしばらくは継続していく可能性は高いのではないかと思いますし、そういう意味ではオフィスだけでなく、会社組織のあり方についても、そういった環境下でいかにフィジカルなコミュニケーションに依存しすぎないチームビルディングや関係構築ができるか、クリティカルな合意形成や意思決定を進めていくことができるか、というのが問われてくるのだろうと思います。
個人も組織も、置かれている環境がどう変わったとしてもそれにアジャストすることができるかどうか、それを極端な形で試されているという時代なのかもしれません。
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