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【社員インタビュー】他人ではなく「昨日の自分」より成長しているかを指標にする

今回のInterviewee:
執行役員 人事責任者
永井 雄一郎

まずは簡単に自己紹介をお願いします。

生まれは富山県で、今はもう人口1万人を切ろうとしている小さな田舎町で育ちました。山と海に挟まれた自然溢れるところで、冬になると山から鹿や熊が下りてきたりするようなところでした(笑)

「またまたー、大袈裟に言ってるんでしょ?」って思うじゃないですか?実際それくらい田舎でして、この年末に実家に帰省している間にもこんなニュースがあったんですよ...

猪に襲われてます...「もののけ姫」の世界がそこに

ローカル紙の一面なんですが、こんなのなかなかないですよね?実際のところ、ほのぼのニューではなくて、シリアスなんですよね、イノシシは結構凶暴なので。。。それくらいネイチャー溢れる環境だってことです。

車で3分で来れる海岸です。つながってるように見えるくらい海と山が近くに迫ってます。

高校まで富山にいて、大学で上京し、その後バックパッカーになってアジアを周って、次にアメリカに大学院留学し、帰国してようやく社会人になった時にはもう27歳だったんですよ。人よりだいぶ遅い社会人デビューでしたね。

帰国してすぐは留学のエージェントに勤めて、その後人材エージェントに転職し、そこからGoogle Japan が一気に採用を加速させるタイミングで人事(採用担当)として同社に入社しました。それがスマートドライブに入る前までの経歴ですね。

バックパッカー!?モラトリアムだったんですか?(笑)

まあそうですね(笑)大学は工学部機械科卒なんですが、自分は全然そういうタイプじゃなかったと気づいて、就職もイメージできなかったんで、とりあえず旅かと。いや、今思えば背筋が凍る計画性のなさなんですが、まあそれも人生というか、どうにかなるかなみたいな軽い気持ちだったんだと思います(汗)

下の写真は、ベトナムのホーチミンの路地裏で子供たちの写真を撮ってた時に、彼らが僕も一緒に撮ろうと言って撮ってくれた1枚です。これは2001年なので、スマホはもちろんないんですが、デジカメすら一般的ではなくて、これもフィルムのカメラで撮ったんですよね。

この頃は「路地裏写真家」になりたいなとか考えたりしてました。。。

もう20年ほど前なので、今ではこういう路地裏も少なくなってるでしょうけど、当時路地裏にあるローカルの人たちが食べてるフォーがホントに美味しかったんですよね、それで僕はパクチーも大好きになったんですよ。

旅のルート的には、最初タイから入って、カンボジアに行き、その後ベトナムだったわけですが、この辺りから、旅は僕にとって、街並みとか遺跡とか風景とかよりも、人との出会いなんじゃないかって思い始めました。

タジマさん、この時はいろいろお世話になりました!

これは、旅の後半戦なんですが、チベットのラサに滞在してた時に、同じゲストハウスにステイしていた日本人の方で、当時アメリカでMBA留学されていて、夏休みを利用してバックパックしてるんだって言ってましたね。

すごくフレンドリーな方で、まだ社会人にもなってない僕にいろいろ教えてくれました。当時の僕は、帰国したら留学しようと考え始めていたので、「僕もMBA考えてるんですよ」って言ったら、「そうだね、社会人経験をある程度積んでから行くべきだよ」って優しく諭してくれました(笑)

チベットは今思い返しても、当時の旅のハイライトだったなと思っているんですが、ラサから西に行く交通手段として、同じ宿にステイしていた他の日本人のバックパッカーの方2人(自分より10才くらい上のお兄さんと、還暦を迎えたというシニアの方)と一緒に、ランドクルーザーをドライバー付きで1週間チャーターして、とにかく荒野を走り抜けて行ったんですよ。

このランクルに日本人3人で1週間近く乗ってネパールまで行きました。

ランクルの窓から見える景色が異世界でしたね、「あの世かな?」みたいな(笑)

ここは海抜4700mくらいの高さにあります。ここもランクルで駆け抜けました。

良い思い出ですね。今だったらスマホで動画とかも撮り放題なんで、なんかもったいなかったなと思いますが(笑)、いつかもう一度行けたらなって思いますね。。。これ以上旅のことを話すとただのバックパッカーブログになるのでやめましょう(笑)

ただ、このバックパッカーの旅が僕の人生においてターニングポイントになったのは確かなので、話しておこうかなと思ったんです。

旅のことはまた別途聞かせてください(笑)弊社にはGoogleから転職してきたんですよね?

はい。2015年に、それまで5年間勤めたGoogleを辞めて、まだ社員が2人しかいない時に入社したわけですが、来年(2020年)の2月でちょうど5年が経ちます。ホントここまで早かったですね!

Googleでは、2010年〜2015年で400人〜1300人というフェーズを経験したわけですが、退職した時はグローバルで7万人くらいのマンモス企業でした。そんな環境から、自分がまだ3人目というフェーズの会社にジョインするということに、当時の僕は尋常じゃないレベルでワクワクしてました。

きっかけをよく聞かれるんですが、もともと弊社のことを知ってたわけではなく、リクルートエクゼクティブというリクルーティングエージェンシーの篠原さんというコンサルタントの方(現在は独立されていらっしゃいますが)に、代表の北川に引き合わせてもらったのがきっかけでした。当時いろいろとスタートアップを探している中で懇意にお手伝いしてくださって、そのおかげで巡り合えたという縁でした。

転職に関しては周囲からもいろいろ言われたのでは?

当時はちょうど娘が生まれる直前でもあったのですが、妻は「思うようにやったらいいよ」と背中を押してくれましたが、僕や妻の両親は心配だったようです(笑)

当時のGoogleは、僕らの親の世代ですら知っているような企業になっていたので、「なぜそんないい会社を辞めてわざわざまだ2人しか社員がいないような会社に転職するんだろう」と、僕には言わないものの、近い将来生まれてくる孫娘のことを思って心配だったんでしょうね。当然だと思います。

その世代の人たちに「大企業を辞めてベンチャーに行く」っていう価値観はないんですよね。もちろん一部でそういう人たちは当時もいたとは思いますが、すごくレアだったでしょう。

「できるだけ良い大学に行って、できるだけ大きくて安定した、みんなが知ってる企業に勤める(or 公務員になる)」ことが、自他共に疑う余地がない「成功」だった時代が長らく続いたわけですから、「もう会社が大きくなりすぎてしまったんで、新しいチャレンジのためにスタートアップ行きます」みたいな概念は、完全に理解不能というか、狂気の沙汰に思えるんでしょうね(笑)リスクとチャンスの概念がもはや真逆に近い感覚だと思います。

なので、無理に理解してもらおうと説得してもしょうがないというか、言葉でああだこうだいうよりも、百聞は一件にしかずで、単に彼らの目にも見えるように結果を出すしか安心させる術はないんだろうなと思ってました。

なるほど。そもそもなぜ転職しようと思ったんですか?

「人生一回だから」です、端的に言えば。

Googleみたいな会社にいれば、待遇はもちろん良いですし、帰属していることで誇らしく感じれるような事業をやってたり、居心地は良いと思うんですよ。もちろん、大企業になった分、自分が影響力を及ぼせる範囲はかなり限定的にはなっているものの、社員として所属することに対する経済的 & 非経済的メリットはとても大きいわけです。

ただ、そうやって生きるには人生はあまりにも短すぎないか、って思ったんですよね。僕らは皆、人生一度きりだと頭ではわかってますが、普段そのことをリアルに意識しないですよね?まあ、毎日意識してたら疲れてたまらないでしょうけど(笑)

でも、結局のところ、それがすべてな気がしてるんです。一回きりで、短い。健康で五体満足でいられる時間はさらに短い。だったら、そこにギュッと詰め込むしかないじゃないですか。自分なりの納得感と充実感を得るために、できるだけチャレンジするしかないじゃないですか。

だから、できるだけチャレンジを課そうと。僕は自他共に認める凡人中の凡人なので、偉業とか後世の残る云々とかには縁がない人間です。もちろん卑下してるわけではなくて。だから、自分に課すチャレンジなんて、周囲から見れば些細でたいしたことじゃないことばかりだなと。

でも、それでもいいかなと思ったりもするんですよ。凡人は凡人としてのやり方があると。周りをキョロキョロするのはほどほどにして、できるだけ自分に向き合う。少なくとも去年の自分より成長していたい。そういう身の丈に合った目標を置いていく。

仕事だけじゃないけど、人間ってどうしても周りと比較しちゃうじゃないですか。そうすると、雑念しか入ってこないわけですよ(笑)だから、できるだけ自分自身に目を向ける。年末に振り返った時に、去年の年末よりも成長したのかどうか。誰かと比べて勝った負けたとかじゃなく、自分としての成長幅にマインドを向ける。

他人への嫉妬や妬みとか、そういうことからは何も有意義なものは生まれないし、他人のことを見てる暇があったら自分のことに取り組んだ方がいいんですよね。人生は短いから、よそ見してる暇はないですよね。

なるほど。ただ、会社に所属すれば必ず「評価」がありますよね?

たしかに会社には評価制度がありますし、資本主義社会における営利企業で働く限り、周囲や会社から評価させる行動を取ってこそ、認められたり給料が上がったりとかしますよね。そういう意味で、もちろん他者からどう見られているのか、同僚と比べて自分はどうなのか、という視点は、現実問題排除することはできません。

ちなみに弊社では、(1) 個人の業績評価と、(2) バリュー/Values(会社が推進する価値観)に沿った行動、という2つの側面で評価しますという形にしています。業績としてのアウトプットを出すことは組織にとってもちろん評価されるべきことですが、それと同等に大切だと思うこととして、簡単に定量化できないところではあるのですが、バリューにおけるアウトプットを置いてします。

弊社で定めているバリューは、基本的にどんな会社においても奨励・評価されるようなユニバーサルな内容にしています。あえてキャッチーなフレーズや目に新鮮なものを標榜するのでなく、普遍的な価値観を掲げています。

結局のところ、人の成長というのは、ここで掲げているような、わりとシンプルで見た目上それほどおもしろみはないような、どこにでもある当たり前なことに集約されていると思うからです。何か特別なことをやるのではなくて、誰にとっても「そうだよね」ということをしっかりやる。そしてそれは、個人の成長を促進するだけでなく、組織にとっても良いアウトプットになると信じてます。

一方で、組織の中で生きる以上、相対評価されてしまうのはある程度しょうがないことだとも思います。ただ、そんな中でも「去年の自分には負けないように」とか、個人が自分自身を軸にした目標も置くことで、周囲の環境に影響されすぎない自分自身の評価軸と充実感を得ることもできるんじゃないか、というのが僕の持論です。

自分よりできる人はすべて見本と捉えて、学べるところはすべて学び、とにかく1年前の自分、半年前の自分、1ヶ月前の自分を引き離そうと努力する。その努力ができれば、「自分史」の中では進化し続けていけるじゃないですか。それってそんなに悪くないことだと思いませんか?そして、そうやってがんばり続ける人たちが助け合い励まし合ってお互いの成長をサポートする。そういう組織ってなかなかいいんじゃないかなって。

話は変わりますが、入社の決め手となったのは?

ドラスティックに話を変えてきましたね(笑)
えっとですね、当時の北川(CEO)、元垣内(取締役)、ガナー(デザイン責任者)の3人と会って、シンプルにすごく良いチームになりそうだなって思ったんですね。みんな全然違う。得意領域もパーソナリティもすごく違っていて、そこに自分が入ることを想像した時に、化学反応的にも良さそうだなって直感的に思ったんですよ。

もちろん、事業的な意味でも惹かれました。当時もモビリティ業界は自動運転ばかりがスポットライトを浴びてましたが、北川は当時から周辺領域のモビリティデータの可能性に目をつけていたのですごく驚かされましたし、たしかにすごく面白そうで大きな可能性もあると。そして会社としてはまだほぼ何もない(笑)これはもう、入社する以外に何か選択肢があるのかって心境でしたね。

入社から今まで、どんな仕事をしてきたんですか?

人事担当として入社してますが、入社当時はそれこそ何でも屋ですよね。当時あったOBD端末の筐体にヤスリがけしてスプレーしたり、レンタカーやカーシェア借りてきてとにかく走行テストをしたりとか、できることは何でもしてました。

人が徐々に増え始めてからは、人事総務広報みたいな領域を中心にやってきてまして、今はほぼ人事領域のみに絞ってやっていますが、それでもやれてないことだらけですね。今は一秒でも早く助けてくれる人に人事に入って欲しい状況ですね(苦笑)

3人から徐々に成長し、今は内定承諾者も含めると70人近く。来年は100人を超えていくという中で、何を考えていますか?

これからますます大変だなとワクワクしてます(笑)今までになかった種類のチャレンジも出てくるだろうなと。結局、課題やチャレンジがあるからこそ、それを乗り越えるからこそ、人や組織は成長するので、課題やチャレンジは基本的に大歓迎というスタンスです。いや、大歓迎は言い過ぎかな(笑)

「テトリス」も「ぷよぷよ」も、上から降ってくるからそれを消そうとがんばって、そのうちより効率的な消し方、一気にドカッと消せるやり方とか覚えていくわけじゃないですか。上から何も降ってこなかったら上手くなりようがないんですよ。まあ、ゲームとしても成立しませんが(笑)
だから、課題やチャレンジが降ってくるのは歓迎すべきなんです、成長するチャンスですから。

さっきも言いましたが、誰かと比べて自分がどうだとか、僕はほとんど気にしなくなりました。そうじゃなくて、前の四半期の自分より、先月の自分より、少しでも成長しているのか。極論、見る指標はそれだけでいいんじゃないかとも思ったりします。もし成長してなければ、それは自分自身にチャレンジを課せてないってことです。

3人から70人の過程においても、たくさんの課題・難局がありました。それらの多くは、人と人とのコミュニケーションに根源的原因があることがほとんどだったと、僕は思ってます。事業やプロダクト自体に問題があるというケースはむしろ少なくて、それを取り巻く人たちのコミュニケーションに起因してたと思ってます。

コミュニケーションの問題の大半は、伝えきれてないことによる勘違いや誤解、曲解、不信感や妄想。あとは自分のことが正当に評価されていないとか、承認欲求が満たされてないとか、そういった不安や不満。自分の話を聞いてもらえない、深いところでの共感が得られないという孤独感。これって全部コミュニケーションですよね?

量が足りないか、質が低いか、その両方か。あとは、face-to-face でやらずに slackやチャットの文字による非対面コミュニケーションの過多などからくるこじれだったり。コミュニケーションはちゃんとやろうとすればするほど工数がかかるわけで、楽をしようとしてしまいがちな傾向にありますよね。で、大体それが裏目に出る、と。

では、組織内のコミュニケーション課題はどうやって乗り越えていこうと思っているんですか?

やはりショートカットはできなくて、ちゃんと真摯に率直に話していくしかないと思うんです。決して気持ち良くはない会話をしなくちゃいけないことも多々ありますが、それを避けたり、先延ばしにしたりしないこと。人間だから億劫にもなるけど、とにかく向き合う。それをどこまでちゃんとやれるのか、もうそれだけなんじゃないかと思ってます。

2020年は確実に100人を超えてくると思ってます。放っておくと、社内のコミュニケーション密度はグッと落ちてしまうと懸念してます。そこで、ある程度仕組みをつくって密度を高められるように取り組んでいく必要があるなと感じてます。単に個々人の努力に任せるというのは大変かなと。

組織における一体感とか、価値観を共有するとか、勝手に自然発生してくれたらそんな楽なことないわけですが、そんな都合の良いことないですよね。どうして一体感や共有があった方がいいのか。それを組織全体としてみんなが体験できるような成長の仕方ができればと思ってるんです。理想論に聞こえると思いますが、組織が成長する時って、大抵の場合、この逆のことを人は体験しますよね?

そんな中で、今後人事としてどんなことに取り組んでいきたいんですか?

もちろん成長のために採用はしなくちゃいけない。ただ、それと同時に組織を強くしていく取り組みに同等以上の工数を割いていく必要があると思ってます。Employee Relations のような領域ですね。いかに会社のバリューを浸透させていくかとかも含めて。今は社内で結成した Employee Successチームのみなさんに活躍してもらっていますが、このチームの活動をさらに進化させていくことをリードしてくれる人が必要だと思っています。

あとは、採用広報というか、コンテンツづくりにパッションがある人。今この瞬間も、社員インタビュー以外にもたくさんコンテンツにできることはあると思ってます。最近流行ってる採用資料のWeb公開化も1つでしょうし、採用ページを進化させたり、オンライン・オフラインどんどんやっていきたいですね。このあたりをガッツリやってくれる人も欲しい。

採用を含めたこの三位一体が、今後の組織成長の土台を作ることになると思ってます。

近年は「エンゲージメント」も人事ではキーワードになってますよね?

そうですね、モチベーションとほぼ同義で使われていると思いますが、会社として組織の健康状態、社員ひとりひとりのメンタル的な健康状態にもっと注視しようという流れだと思ってます。

そのためにどういうモニタリングツールを使うかとか使わないとか、やり方はいろいろあると思いますが、いずれにしてもちゃんとケアしていきましょうという雰囲気はすごく良いと思ってます。組織のメンタルヘルスイシューは今後もよりシリアスなトピックになっていくと個人的には思っていますし、そこにどう対処していくのかというのが、組織としての大きな責任の1つになると考えてます。

ある仕事において、1〜10のスケール(10がベスト)で、6でアウトプットを出せるスキルの社員と、10できるスキルの社員がいるとします。単純に考えれば、10の社員の方がアウトプットレベルは高いということになりますが、これは10の社員が継続して10のアウトプットを出し続けることが前提です。リアルな職場では本当にそうなのか?これが、近年の問いなのかなと思ってます。

10出せる社員がなぜか5しかアウトプットしてない。状態が悪い時は3とか4の時もある、本来は10出せるスキルや能力があるのに、です。一方で、6の人は安定して6を出し続けている。そうると、半年1年とかのタイムスパンで見たら6の社員の方がアウトプットが高かったりすることになる。

何がこの差をつくるのか。
まさに、「感情」や「エモーション」と呼ばれるもの、じゃないかと。

「モチベーション」や「エンゲージメント」というのは、エモーションが安定した上で発生する感情・状態だと僕は理解しています。いきなりモチベーションが高かったり、エンゲージしていたりするわけではなくて、その前段階にあるエモーショナルなニーズが満たされているかどうか、に大きく依存している気がしています。

だから、今後の人事のホットトピックの1つは、エモーショナル・ニーズをどうケアするのか、というところになってくるんじゃないかなと思ってます。「え?でもそれって、プライベートなこともあるだろうから、会社として扱えないのでは?」と思う人もいると思うんですが、プライベートのことを根掘り葉掘り聞き出すとかそういうことではなくて。結果として聞くことになるケースもあるとは思いますが、それが目的ではないんですね。

人は、仕事のときも、プライベートの時も、同じ人間なので、感情は2つ別々に分けられないっていうことが重要だと思ってます。これは別に新くも何ともない概念ですが、改めて考えるという意味で提起してますが、仕事もプライベートも感情においてはガッチリつながってるじゃないですか。

プライベートで辛いことがあれば、それはダイレクトに仕事のパフォーマンスに影響します。あたかも影響してないかのように隠す努力をする人たちもいます。それをバネにしたり、忘れようとする過程の中で、仕事上のアウトプットを逆に高めるような人たちもいます。

でも、結局これって、影響してるんだということですよね。仕事もプライベートも「感情」ではつながってるんです。

そして、それは良し悪しではない。単に人間として当たり前のことじゃないですか。自分を仕事とプライベートをスッキリ分けよう、というのがむしろ不自然なんだと思います。日本には「公」と「私」をはっきり分ける概念が根強くあるので、自分自身も含めてですが、余計にそういう感覚を持っていると思います。「仕事にプライベートを持ち込む」っていうフレーズもネガティブな意味でよく使われますよね。

さっきの例え話のように、なぜスキル10の人がずっと10でパフォームできないのか。そうできるようにするためには何が必要なのか、という話です。

つまり、組織として、人が自然に持っているアップダウン(感情によるボラティリティ)要素にいかに向き合えるか。そこで成果をあげられる組織は当然強くなるじゃないですか、アウトプットが高いところで安定するわけですから。1,000人、10,000人、もっと大きな企業になればなるほど、そこにしっかり向き合えた時のインパクトが大きくなりますよね。

この領域をどうハックしていくのか。そのあたりが今後の企業のあり方に大きく影響していくんじゃないでしょうか。今後ますますおもしろくなる領域だと思いますし、ここを扱うプロフェッショナルも増えていく気がしています。現存する「コーチ」とも近い役割でもあるとは思いますが、対個人というよりは、より組織や組織内におけるエモーションをさらに深掘っていくプロフェッション(名称はまだなさそうですが)になるのかなと想像したりしています。

人事という仕事のやりがいとは?

やっぱり常に人との出会いや、人の可能性に関われることじゃないでしょうか。もう10年以上人事に関わってきて、本当に多くの人たちに出会ってきました。自社に採用できる・できないはその時の縁とかタイミングとかいろんな要素がありますが、とにもかくにも多くの人たちに会えて、その人たちから学べることがたくさんあり、生涯続くようなつながりができたり、すごく楽しいなと思ってやってます。

そして、組織という概念がおもしろいじゃないですか。人が集まると必ず問題が起きるのに、でも集まらないと大きなことは成せない。うまくできてますよね?人間がみんな個人として完璧ですべて1人でできる生き物だったら、人類文明はここまで発達しなかったんでしょうね。

チームでやるからこそ成し遂げられる偉業があり、チームでやるからこそ1人でやるより大変なことが多々あって。だからこそ、チームで何かを成し遂げた時により一層うれしいんでしょうね。1人でやるときには得られない充実感が、そこにはあるんだと思うわけです。

人事という仕事は、まさにそのプロセスに向き合い続ける仕事なんじゃないかなって思います。

ちなみに、今まだうちのWebサイトに人事求人がアップされてませんが、下のバナーから求人ページに行っていただき、「応募する」からフォームを入力する際に、メモ欄に「人事希望」と書いて送ってください(笑)

ここからさらにエキサイティングなフェーズと課題が待ってるので、人事としてもすごくやりがいがある体験ができるはずなので、これを読んだ人事担当の方はぜひ、まずはカジュアルにでも構わないので話しに来てくださいね!

 

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