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【社員インタビュー】集めたモビリティデータをどう見せるか?バックエンドエンジニアが目指す世界とは

今回のInterviewee:
石津 真一(いしづ しんいち)
所属:バックエンドエンジニア

はじめに自己紹介をお願いします。

小さいころからゲームが好きで、最初のキャリアもゲーム業界のプログラマーなのですが、実は学生のころは天文学者になりたいと思っていました。

ただ、自分の憧れていた分野では高精度な観測装置は個人で自由に使えるようなものではなく、私達の世代が活躍できるようになるまでには結構な時間がかかると、見学に行った大学で知りました。また研究職だと収入面でも多少不安があったので、この分野で仕事をしていくのは難しいなと思ったんです。
それであれば元々好きなゲームを作りたいと思うようになり、大学の途中からプログラムの勉強ができるところに通い始め、エンジニアとして必要な技術を習得しました。

6年ほどゲーム会社で働いた後、インターネットを介したコミュニケーションに未来を感じてサイバーエージェントに転職。アメブロ等SNSのバックエンドエンジニアをしていましたが、次第に「せっかく技術を身に着けたのだから、もっと人や社会の役に立つことをしたい」と思うようになり、スマートドライブへ転職をしました。

「人や社会の役に立つものに関わりたい」と思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

サイバーエージェントでの仕事そのものは楽しかったのですが、だんだんとSNS業界自体に疲れてきてしまったんです。

その頃に、青空文庫というサイトで大正時代の物理学者の寺田寅彦とういう方が書いた手記を読んだのですが、その本の中に「満員電車を避けたければ、見送って次の電車を待つといい」という主旨のことをが書かれていました。混雑と緩和についてのロジックを数学的に書いたものだったのですが、まさか大正時代から「電車が混むから乗るのを遅らせるべし」というような話があるとは思っていなかったですし、「昔は大きな問題だったが今はもう解消している」のではなく、未だに同じ問題を抱えているということが、ある種ショックで驚きました。

それで色々調べていくと、実は世の中にはテクノロジーで解決できる問題が多くあり、同時に色々な要因でまだまだ社会に浸透していないものが沢山ある、ということが分かりました。そして、もしかしたら自分が勉強してきた分野が活かせる場があるのかもしれない、と思ったのです。

そんなことを考えていたタイミングで、小山(現:スマートドライブ執行役員 開発責任者)が声をかけてくれました。話を聞き、スマートドライブの事業はまさに寺田寅彦が本に書いていたような課題を解決することに繋がるのかもしれない、というのを感じました。

スマートドライブではどういう業務をしてきたのか教えてください。

入社してすぐの頃は小山が担当している業務を手伝うことから始めました。特に力を入れていたのが開発へのスクラム導入です。導入の経緯や内容については以前のインタビューでお話した通りなのですが、この開発手法の最大の主旨はお客様にスピード感をもって価値提供することを最優先とする、ということです。

短いスプリントの中でプロダクトを作って提供し、そこに対してお客様やビジネスチームから「こうしてほしい」「あっちのほうがいい」「業務としては〇〇の方が改善する」等のフィードバックを頂き、課題を積み上げてまた改善していく。これを繰り返すことで、目的のものに徐々に仕上げていくことができます。

最初に荘厳なものをデザインして作り始めるのでは無く、走りながら変えていくという手法は、BtoCの業界では”β(ベータ)板”などと言われある程度定着しているのですが、日本のBtoB業界ですと「完璧に出来上がったものを納品する」という文化が根強く、なかなか難しい部分も多いのですが、現在も基本的には同じ手法で開発を進めています。

今はどのようなことをされているのですか?

外部に提供するAPIの設計や実装部分を担当しています。直近では、システム的に初期に構築した仕様のままでは対応しきれない部分が出てきたので、改修を行っています。

例えば時系列で走行データを取り出す際に、当初は「エンジンを入れてから切るまでを単位とすれば良い」という形で考えていたのですが、実は業種業態によっては「走行」という単位自体も変わることが分かってきました。「〇分以上アイドリング状態でいるところまで」を1走行とする場合もあれば「荷物を積み込んでから最後に降ろしたところまで」を1走行とする場合もある。

こういった、当初想定していたものとは違う形の方が便利だというお客様の声が出てきましたので、既存のものは使えるように残しつつ、要望に合せた形でも使うこともできる、となるように整理を始めています。

また、最近はクラウド車両管理サービス『SmartDirve Fleet』のようなSaaSのプロダクトの形での提供ではなく、様々なセンサーデータを格納・分析できる『Mobility Data Platform』の提供も始まってきていますので、より様々なデータを格納したり分析に使いやすい形に整形できないかを検討しています。

システムの改修が進むと、どういったメリットがありますか?

一例として、弊社サービスを利用している連携先の企業様から「このUIにこういう項目を出したい」というような依頼がきた際に、弊社側のアップデートを待たずにAPIを使用する側で好きに設定できるようになる、という状態を目指しています。そうすることで、企業様ではすばやく実装や分析ができるようになります。今後Platformとして拡大していく中で、私たちがボトルネックになってしまうことが無いようにしていきたいです。

仕事をしている中で、課題に感じていることはありますか?

入社当初は「ベストプラクティスがつまったサービスを提供すれば業務効率が上がるはず」という風に思っていたのですが、実際にお客様話を聞いていくと「今までと同じやり方を踏襲したい」や「同じフォーマットでの出力がほしい」等の様式美の方を重視する場面も多くて驚きました。
もちろんすべての企業様がそうだという訳ではありませんが、私たちとしてはそういったお客様の声に対して、出来るだけシンプルに「そもそも何がしたいのか」「本当の課題は何なのか」をじっくりと考えて、システムやサービスを作っていく必要があるなと思っています。

最後に、スマートドライブのおすすめポイントを教えてください。

モビリティデータを扱える、というのは弊社の大きな特長ですので、そこに興味がある方にとっては楽しい環境だと思います。積極的に新しいテクノロジーを採用することもしていますし、チャレンジングに新しいことに取り組みたいと考えている方にとっても、すごくいい環境ですね。

また、これは大変な部分でもあるのですが、先行研究や論文を読んでロジックにおこすということにも力をいれていますので、意図通りに動かせたときは、まさに「現実の課題をテクノロジーで解決する」ことに繋がっているなと実感できます。ここは私にとってはやりがいを感じる部分ですので、とても楽しいです。

 

私たちは皆とても良いチームで活動していますので、心理的安全性の元で意見を言い合っても大丈夫な関係ができています。そういった「非難ではなく改善のための話し合いができる」人と今後も一緒に働いていけたらいいなと思います。

 

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