今回は、スマートドライブのプロダクトマネージャー塩尻さんに、そのキャリアから培われたプロダクト開発の哲学と、顧客の課題にどのように向き合っているのかを伺いました。
Q:スマートドライブに入社するまでのキャリアについて教えていただけますか?
塩尻:私のキャリアは大きく2つの段階に分かれます。最初の約14年間は、大手システム開発企業で製造業向けのシステム開発に携わっていました 。その後、モビリティ関連のスタートアップ2社に転職しました 。1社目は駐車場シェアリングプラットフォーム、2社目は軽貨物配送マッチングプラットフォームです 。ここでは、エンジニアリングマネージャーや新規事業の立ち上げを担い、事業責任者のような立場でマーケティングやカスタマーサポート、アライアンスまで、本当に幅広く担当しました 。
ちなみに、スマートドライブ執行役員CPOの小山さんは、1年ほど軽貨物配送マッチングプラットフォームの会社で一緒に仕事をしました。彼がスマートドライブに戻られた後に話をする機会があり、再びのご縁となりました。
Q:大手企業からスタートアップへ転身された理由は何だったのでしょうか?
塩尻:大手システム開発の仕事は、お客様企業の課題を解決するシステムづくりでした。ですが、お客様は予算の都合で物事が動くため、「本当に必要なものが作れているのか?」と疑問に思うことも多くありました。そこで、自分のやったことが自社に直接跳ね返ってくる事業会社で働きたいと思うようになりました。
スタートアップでは、アイデアが会社全体に与える影響が全く違うのは実感しましたね。

Q:システム開発時代は、工場に常駐して業務を行っていた期間が長かったと伺いました。その経験は、スマートドライブでの仕事に活かされていますか?
塩尻:ほぼ全てが活きていると感じます 。お客様の工場に常駐して開発することで、現場でしか見聞きすることのできない働き方・考え方や業務フローなどを、極めて近い距離で深く理解することができました。この「工場育ち」の経験は、スマートドライブのプロダクト開発においても、自分の大きな強みになっています。
特に、お客様の悩みの解像度を高く想像出来ることに活かされていると感じています。例えば、プロダクト企画を行う際、社内外の様々な方から要望が入ってきます。中には、高機能すぎるもの、お客様の業務に則していないもの、逆に内容が細かすぎて全体で見たときに汎用的な機能でないものなど多種多様です。我々のサービスは車両管理SaaSですので、汎用的でありながらお客様の業務を大きく改善する使い勝手を追求する必要があります。要望の本質をいかに早く捉えるかがプロダクト開発のスピード感につながる側面が大きいので、その部分に「工場育ち」の経験が活きていると強く感じています。

Q:現在の職責とミッションについて教えてください。
塩尻:スマートドライブのプロダクト統括になります。プロダクトの中でのクリエイティブな部分と言い換えることもできます。具体的には、どのようなものづくりをしていくか、お客様にどういったユーザー体験(UX)を提供するかという方向性を決める役割です。プロダクトをつくるエンジニアだけでなく、カスタマーケアチームも私のグループに属しています。
Q:今取り組んでいる課題は何ですか?
塩尻:プロダクトを通じて価値を提供し、その価値に対して適切な対価をいただくという「構図の適正化」を重視しています。機能を追加する際は、それが顧客にとってどのような価値をもたらすのかをきちんと判断し、どのような形態(有償無償含めて)でご利用いただくのかを適切に判断することが重要だと考えています。

Q:今後注力していきたい分野や、プロダクトの展望はありますか?
塩尻:車両のライフサイクル全体にアプローチしている点が当社のユニークな強みだと考えています。車のリース契約から、保険、メンテナンス、車検、事故対応、運転者管理まで、車両に関わる様々な側面をサービス化している企業は、国内では他にはありません。このユニークな強みを広げていくことに大きな可能性を感じています。
Q:スマートドライブで働くことの魅力は何ですか?
塩尻: 私が重視しているのは「誰と仕事をするか」という点です。そういう点でも、スマートドライブは「人」が最大の魅力だと思っています。社内で私が「これは良くないですね」とハッキリとした物言いで言った場合でも、真摯に受け止めて議論してくれる環境があることは、とても貴重なことなんです。
いわゆる「大人のスタートアップ」として、スタートアップの機動性と大企業の秩序を両立している企業文化だと感じています。ぜひ、同じような考えを持つ人とご一緒したいと考えています。

編集後記
塩尻さんのインタビューを通じて最も印象的だったのは、ご自身のキャリアを通じて培われてきた「顧客の課題を深く理解する」という揺るぎない信念でした。
大手システム開発企業での「工場育ち」の経験は、現場の業務フローという、プロダクト開発において最も重要でありながら見過ごされがちな部分を捉える視点を塩尻さんに与えていそうです。実際に顧客の業務に触れてきたからこそ、「手触り感のあるサービス」という言葉に説得力と凄みがありました。
私たちが提供するプロダクトは、単なる機能の集合体ではありません。それは、お客様のビジネスの課題を解決し、日々の業務をより良くするためのツールです。塩尻さんのマネージメントのもと、スマートドライブのプロダクトがさらに進化し、より多くのお客様に安心を提供できることを確信しました。
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