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【イベントレポート】エンジニアの成長戦略トーク!

弊社が入居しているWeWorkの1Fで、スマートドライブとBCG Digital Ventures 共催のパネルディスカッションイベントを開催しました。タイトルの通り、AI時代におけるバックエンドエンジニアのキャリアや、どのようにマーケット価値の高いエンジニアとして経験を積んでいくかなど、現役エンジニア向けのトークセッションでした。今後のキャリアを考えていく上での重要なヒントが沢山あったので本記事で紹介させていただきます。

 

登壇者プロフィール

スマートドライブ

元垣内 広毅(もとがいと ひろき)
以下:元垣内


取締役

大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程にて統計解析を専攻。博士号(工学)取得。有限責任あずさ監査法人にて、会計監査及び内部統制監査等に従事した後、グリー株式会社に入社し、各種データ分析業務を担当。2015年1月にスマートドライブに入社。執行役員を経て、2018年12月より現職。現在は、データプラットフォーム事業を中心に、データ解析領域の技術開発及び事業開発を担当。

勝田 壮志(かつた そうし)
以下:勝田


Software Development Engineer

東京工業大学大学院情報理工学研究科修士課程にて制御理論を専攻。卒業後大手 IT 企業に入社し、インターネット広告の配信システムの開発に携わる。その後大手クラウド事業者に移り技術サポートに従事。2018年3月にスマートドライブに入社。サービスの開発やデータ解析業務を担当。

BCGデジタルベンチャーズ

山家 匠(やんべ たくみ)
以下:山家


Engineering Director

証券系システムインテグレーターを経て、グリー株式会社で、Engineering ManagerとしてGREE Platformの開発、サンフランシスコオフィスの立ち上げに従事。帰国後は、ゲーム開発部門のマネジメントを担当。株式会社アピリオを経て、BCG Digital Venturesに参画。 東京センターのエンジニアチームを統括している。

都筑 友昭(つづき ともあき)
以下:都筑


DROBE CTO

オーストラリアの Swinburne University of Technology で Master of Engineering を取得後、半導体メーカー、日系大手 SNS 等を経て BCG Digital Ventures に参画。2019年4月より、CTOとして株式会社DROBEに参画。

モデレーター

椎野 孝弘(しいの たかひろ)
以下:椎野


株式会社 Kyash CTO

米国セント・マイケルズ大学経営修士課程修了。2社のExitを経て、株式会社コミュニティファクトリーに取締役CTOとして参画。ヤフーへ売却後、ヤフー社のモバイル戦略責任者に就任。その後、BCG Digital Ventures Tokyo RegionのCTO、株式会社FOLIOの取締役CTOを経て2019年1月より現職。

 


 

椎野:

エンジニアのキャリアパスについて伺いたいと思います。一般的にキャリアパスを駆け上がっていこうと思うとマネジメント側になるの?って思われがちですが、テクノロジースペシャリストとして、エンジニアリングスキルを深く掘っていく方法もあります。ただ、掘っていった先に何があるのか?というのを明言している会社は少ないですよね。最近よく聞かれる質問で「どうやったらCTOになれますか?」というのがあるのですが、質問してきた方の気持ちはすごく分かります。

今ではみんなが普通に使っているAWSを含むクラウドというのはオンプレの時代からすると普通ではなくて、今ではPaaSやBaaSもあるので、もはやフロントエンドアプリ作るときにバックエンドのコード書く必要ないのでは?と思ったりします。テクノロジーやエンジニアリングに対する敷居はどんどん下がっていて、誤解を恐れず言えば、ものすごいスキルフルでなくてもプロダクトが作れる時代に変わりつつあるのかもと思ってしまうくらい技術の進化のスピードが早いなと思っています。こういった風潮の中で、エンジニアに求められるスキルセットはどんどん変化していくのではないかと想像します。その中で「エンジニアとしてどうやって生きていくべきか?」というのは悩みどころではないでしょうか?

さらに、最近ではベンチャー企業だとしても「副業していいですか?」と聞かれることが多々あります。つまりエンジニアの生き方自体が多様化してきているからなのかと考えていて、その背景には1つのことだけではなく色々な技術を吸収してスキル幅を広げたいという想いがあるからだと思います。こういう時代の中でエンジニアの現状をどう理解し、どうしたら我々エンジニアの人生が豊かになるのか?というのからまずは聞いていきたいと思います。

 

エンジニアとしてのキャリアパスとは?

 

山家:

先ほども話にありましたが、テクノロジーや技術だけでなく情報もすごく増えてきていて、開発しやすい環境が整ってきたこともあり、敷居が下がってきているとよく言われています。でも実は、ちゃんとできる人は意外と少ないようにも感じます。なんとなく色々と広く浅くできるエンジニアではなく、確固たるスキルを持つというのは大切だと思います。

 

働き方でいうと、IT業界では自分のキャリアの方が会社のライフタイムより長くなることもあると思います。複数社で働くのが当たり前になっていますよね。


ITは何らかの問題を解決するために活用することが多いと思いますが、そのプロセスがすごく圧縮されている気がします。例えば、BCGが上流で戦略作りをやり、SIerがシステムを作り上げるというプロセスを考えると(”上流”という言葉は好きな言葉ではないのですが)上流から下流までの距離が半分とか3分の1になっています。その背景としては技術的な難易度が下がっていて、より速く開発できるようになっていることがあると思います。個別の領域で完結しにくくなってきているので「私はITです」「私は戦略です」といった区切りがなくなってきている気がします。

 

そうなった時にある一定の領域しかできない人は価値を出しにくくなっていると感じます。例えば、エンジニアなんだけどすごくビジネス側も分かる、みたいのはいいと思いますし、全体の問題解決のプロセスにコミットできると思います。エンジニアだけど上流や専門領域以外にもエンジニアのスキルを活かして取り組むのが、今後あり得るキャリアパスの一つだと思います。

 

椎野:
私も「エンジニア×●●」というのは、新しいエンジニアの定義としてはありえると思っています。「エンジニアです」「ビジネスプランナーです」というこれまであった境界が滑らかにならされていく思います。新しいエンジニア像を作るという意味ではたしかにBCGデジタルベンチャーズは有益な時間を過ごせる場所だなと、お話を聞いて感じました。

 

勝田:

私はもともとサーバーサイドエンジニアでして、スマートドライブに最初はバックエンドのエンジニアのつもりで入社しました。しかしデータ解析をおこなう人手が足りないということで、プロジェクトにアサインされて以来ずっとデータ解析をやってきました。

よくあると思うのですが、「エンジニアならパソコン直せるよね」と同じような見方で「エンジニアなら機械学習わかるよね」という見られ方をすることってあると思うのですが、実は全然わからないんですよね(笑) エンジニアも普通は、業務で携わっていないと機械学習の実態がなんなのかわからないと思うんです。僕も最初はそうでした。

もともとはサーバーサイドエンジニアだった自分が、今のデータエンジニアになっていったきっかけを話したいと思います。 SmartDrive に入社して最初にアサインされた仕事は、収集した生データを分析がしやすいように綺麗にするという、データの加工や ETL 周りのいわゆる前処理でした。生データというのは、結構汚くてゴミデータや、値が変になっていたりするので、綺麗に加工しないと分析に使えないんです。前処理をしないとその後工程の機械学習がスムーズにできないわけです。ただ、データの前処理はデータサイエンティストが得意な領域ではなく、どちらかというとコーディングのスキルに近い部分があります。そこはサーバーサイドエンジニアのスキルが非常に活きる部分で、今までの経験でなんとかできました。もともと AI とか機械学習の知識はなかったのですが、1番はじめにデータの加工から始めたので前知識がなくても結果的にバリューが出せました。

私は自分でキャリアパスを選んだわけではないので結果論に近いのですが、それまでの純粋なサーバーサイドエンジニアから、最近もてはやされているデータ分析の領域に自分のキャリアをシフトできました。その際にエンジニアのスキルを活かし、データ分析業務をサポートできたのが今のキャリアの足がかりになりましたので、結果的によかったかなと思っています。

そのあとは元垣内に教えてもらいながら、コアな機械学習のモデル作りとかも少しずつ吸収し、最終的にはある程度自分が担当することができるようになって・・・

 

元垣内:

ある程度というか、今では全レイヤーで活躍してます(笑)

 

勝田:

ありがとうございます! 機械学習とはなんなのかというのが本質的な部分を理解できたので、逆に魔法の杖じゃないこともよく分かりました。実際にやってみると泥臭いですし、愚直に積み上げていかないと良いものはできないというもよくわかりました。 SmartDrive で色々とチャレンジングな経験ができて様々な方向へのキャリアが開けたので結果的によかったです。

 

元垣内:

名刺に工学博士と書いてありますが、技術的には機械学習のアルゴリズム開発やデータ解析技術が私の専門領域です。ある意味サーバーサイドエンジニアとは別領域に強みをもつので、サーバーサイドエンジニアの勝田と連携し両者強みを活かすことにより、圧倒的なスピード感で仕事を進められています。

私はバックエンドエンジニアとして得られるキャリアパスを偉そうに語れませんが、別領域の技術の人間として、エンジニアが違う領域の人たちと絡む際の底力を勝田を通して感じました。

上手くマッチしたポイントとして、どちらかが一方的に教えるという関係性ではなく、違う領域からギブ&テイクの関係性を築けるかどうかが重要かと。そういった関係性を維持できるテーマを選び、段階的に進めていく形が良かったと思います。

 

椎野:

勝田さんの前職は AWS ですよね?

 

勝田:

そうです。

 

椎野:

AWS からスマートドライブにきて初めて機械学習に携わったんですね。それはキャリアパスとかではなく、偶然に突然そっちの領域に入ったんですよね運命的に。

 

勝田:

数理的なことはもともと好きだったので、機械学習関連の仕事に取り組みたいとは思ってました。「バックエンドエンジニアだからこの仕事しかしません」というスタンスだと多分こういうキャリアは築けなかったと思います。別領域の人達や、別領域の仕事にも積極的に関わったのが結果的にうまく転んだのだと思います。今後、自分の得意分野だけでなく、知らないことにも手を伸ばしていくことが幅を広げるという意味で重要なのかな、と考えてます。

 

椎野:

スマートドライブ は経験がなくても、そういった仕事を与える。これは思いっきりがあるな、と思いました。そういうチャンスがあるんだ!と驚きました。

 

元垣内:

チャンスはあります!!

 

椎野:

やる気があれば、叶えられるんですね。いやぁ、すごいですね。

では、次にDROBEだからできることは何か教えていただけますか?

DROBEだからできることは?

 

都筑:

DROBE は 2019年4月に設立しチャット型のパーソナルスタイリング事業を提供するべく現在まさに立ち上げ中の会社です。いま様々なブランドさんとデータの連携をし、ユーザーに最適なアイテムをお届けするというのをやろうとしています。その中で特に大事になってくるのがブランドさんや外部パートナーが運用されている実績のある既存システムと Web 系のテクノロジーを上手くミックスさせていく事だと考えています。ファッションはこれからもどんどんデジタル化が進んでいくと思っていますが、既存で動いていて実績のあるシステムが一気にクラウド化してマネージドサービスを使った運用に切り替わるかと言うとそうでは無いと思いますし必ずしもそうする必要も無いと思います。その中で例えば「既存システム×モダンなデータ解析基盤」といったように、既存とモダンをミックスしていくのが我々が提供できる価値であり、DROBEで挑戦できるエンジニアリングの醍醐味だと考えています。

 

椎野:

僕は現在FinTechに携わっていますが、レガシーなシステムが従来多い環境でもありますが、同じように既存システムを活かしつつ、スピードが求められる部分ではモダンな仕組みを導入して、システム全体としての最適化を測ったりもします。もう少し、既存システムとモダンを掛け合わせた時に何が生まれるの?というのを具体的に教えてもらえますか。

 

都筑:

我々が今開発しているシステムでは大量の商品データとユーザーの特性や行動を解析してそのユーザーに最適な商品を提案するといった事や、従来だと処理が重かった画像処理を並列に大量のコンテナを立ち上げて一瞬で終わらせるといった事が割と簡単にできます。従来それなりに時間やコストがかかっていたような分析や処理を手軽にかつ高精度で行えるようにする事が、ユーザーやビジネス上の価値に繋がると信じていますし、これから証明していきたいと思います。

 

椎野:

なるほど。都筑さん、ありがとうございます。では次にスマートドライブ だからこそできることを伺えますか?

SmartDriveだからできることは?

 

元垣内:

SmartDriveは「移動体からIoTデバイスでデータを収集するレイヤー」「収集したビックデータを蓄積して解析するレイヤー」「蓄積したデータを活用してサービスを作るレイヤー」その全てを自社で開発しています。ですので、様々なレイヤーを経験することができます。エンジニアは従業員の8割くらいなのですが、複数のレイヤーがありますので普通のベンチャー企業ではありないくらい多様な人材がいます。例えば、IoTデバイスの開発してる人とか、ビックデータを捌いていく人とか、データサイエンスする人や、ネイティブアプリを作る人や、サービスを作る人。さらに、エンジニアはお客様と接しているビジネスサイドと密に連携しながら進めていきます。様々な領域のメンバーの総力戦でサービスを提供しているため、バックエンジニアでありながらIoTと関わってたり、データサイエンスに関わったり、ビジネスと関わったり、異なる分野の人と関わる機会がたくさんあります。勝田はもちろんのこと、他にも技術領域を越えてチャレンジをして活躍している仲間から、進化の過程を味わせてもらえたのですが、そういった進化できる環境がSmartDriveにはたくさんあると思います。

椎野:

スマートドライブ さん含め、昨今のベンチャーって実はとんでもないことやっているのではんないかなと思っています。「IoTによるデータの収集」「データ解析プラットフォーム」「自社プラットフォーム上でのサービス構築」この3つの各レイヤーにはもともとビックプレイヤーがいるじゃないですか?そこをベンチャーが1社で全部やります、というやり方が面白いしチャレンジングだなと思いました。SmartDriveさんはその全てを自社で網羅的にやっているので、自分の選択で行きたいところにいけるんじゃないかな?と思いました。

 

勝田:

エンジニアの観点でいうと、 SmartDrive で出来る1番面白いところは、 IoT デバイスからデータが上がってきて、それを解析して、いろいろな形で見せていくところです。その中でいろいろなレイヤーの方々と関わりながら仕事をしていく必要があるので、幅が広がる余地が結構あるというか、自分のスキルの幅を広げていける可能性が結構あると思います。

例えば、データを解析までしなくてもわかりやすい形でデータを可視化するだけでも、経営判断がおこなえるような情報になりうることがあります。こういったビジネスインパクトを与えられるので、ビジネス的な判断を下せるようにデータの見せ方のノウハウを持っている方と一緒に仕事していきたいと思っています。大事なのは、お客様はどういうデータが見たいのか?どういう見せ方をした喜ぶのか?また、お客様の業種や業態の特製まで含めて理解する必要があるので、ビジネス的な観点を学ぶことで、さらに自分の知識を広げていけるチャンスもありそうだなと思っています。

 

椎野:

なるほど大事な観点ですよね。エンジニアとビジネスとの垣根がなくなってきてるし、前から言われていることですが、よりスピーディーにビジネスを回そうと思うと、エンジニアがビジネスを理解するのが1番早いと思います。こういうのをSmartDriveを通じてキャリア形成するなかで感じることができるんだなと思いました。

 

成長戦略 – 今後していきたいこと

 

元垣内:

今もデータサイエンティストとしてアルゴリズム開発に関わっていますが、立場上は会社の取締役でもあります。私自身の成長も大切ですが、それ以上にチームや会社として確実に成功し、その成功をうまく繰り返し再現できるような仕組みを作ることに興味があります。今いるメンバーとこれから採用していくメンバー含めて成功して、お客様はもちろんのこと、お客様の先にある社会に対しても付加価値を提供していけるような組織とはどういうものなのか?というのを探しながら、実際にそれを実現していこうと思っています。その実現していく過程の中で自分自身も成長していきたいなと。

 

勝田:

僕はただのエンジニアなんですけど(笑)マネジメント側に進む方向は今はあまり考えていなくて、エンジニアリングが好きなのでこれからもエンジニアとして仕事をしていきたいです。今日も話にあったように、エンジニアでなくとも何らかの形にするのが簡単にできる仕組みが増えてきている中で、技術的にすごく深いところを知っていることが必ずしも強みにならないかも、と思っています。ですので、エンジニアの枠だけでなく、データ分析とか、データのビジュアライゼーションにも知見がある、というような自分になりたいです。それは、フロントエンドからバックエンドまでの理解があるフルスタックエンジニアという方向とは異なりますが、技術的な深掘りによる主要な軸がありつつ、ビジネスサイドも含め横に広げていくというのが私の成長戦略というか、今後エンジニアとして生き残っていくための生存戦略かと思っています。

 

元垣内:

私の専門領域である機械学習を用いたデータ解析では、今みたいな便利なものは私の大学時代には何もありませんでした。当時は複雑なアルゴリズムのコーディングをゼロからやるしかありませんでしたが、今では便利なライブラリがあるのでたったの1行で終わってしまいます。最近では、入力値と出力値の仕様さえわかれば、機械学習やデータ解析の特別な知識がなくても簡単に扱えるライブラリがあったり、もっと言うと、専門家でなくても扱えるような DataRobot とかマシンラーニングのモデルを自動で作ってくれる SaaS もあるので、ある程度のことは誰でも簡単に出来てしまうという、いわゆる技術のコモディティ化がデータ解析の領域でも起きています。

私はそういった便利なものは上手く使えばいいと思っていまして、使いながら人間でないと出来ない分野はどこなのか?というのをしっかり見極めながら、そこに本質的なリソースを割いていく。下手したら今後、便利なツールがどんどん出ていくると、データサイエンティストは職は奪われるというような話も出てくるかもしれません。単に手法やテクニックにしか強みがないとすると、私もいらなくなるかもしれません(笑)だからこそ、便利なものはどんどん使いながら、人間でしか出来ない本質的なところにフォーカスしていくのが重要だと考えています。これは個人としてもそうですし、会社としても同じです。

 

いかがでしたでしょうか?今後もエンジニアによる、エンジニアのための勉強会やミートアップを定期的に開催していきたいと思いますので、その際はぜひご参加くださいませ!

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