価格も下がり、街中でもよく見かけるようになったエコカー。値段が下がってきているとはいえガソリン車と比べると高価なイメージが強いです。 地球に優しいことは間違いないけれど、エコカーって実際お得なの? ということで今回は、エコカーはガソリン車と比べてお得なのか調べてみました。
そもそもエコカーにはどんな種類があるの?
環境に優しい車の総称が「エコカー」ですが、現在は7種類に大別することができます。
- ハイブリッド車(HV): その名の通り複数の動力源で走行する自動車。 エンジンと電気モーターの二つを備えているため、電気自動車と比較し、長距離走行の場合に強みを持つ。
- プラグインハイブリッド車(PHV): ハイブリッド車同様エンジンと電気モーターを搭載し、家庭用コンセントなどの外部電力で充電することができる自動車。
- 電気自動車(EV): 電池に充電し、電気モーターを動力源として走行する自動車。 課題は1充電あたりの走行距離と充電インフラ。
- 燃料電池車(FCV): 水素と酸素を動力源として走行する自動車。 電気自動車と比較して走行距離が長く、充電時間も短いことが特徴。 電気自動車同様、二酸化炭素や窒素酸化物を出さず、出すのは水だけ。 究極のエコカーとも呼ばれている。
- クリーンディーゼル車(CDV): ススや二酸化炭素、窒素酸化物などの大気汚染物質の排出を大幅削減したディーゼル車。燃料価格が高く、長距離移動の多い欧州では人気が高い。
- 水素自動車: ガソリンの代わりに水素を供給し、燃焼させることで駆動する自動車。 燃焼の際に水と少量の窒素化合物が排出されるが、二酸化炭素の排出はゼロ。
- 第三のエコカー: HVなどの技術に頼らず、従来のガソリン車の燃費を、HV同等の燃費に向上させた 自動車。
エコカーを取り巻く税金の話
自動車にかかる税金は大きく4つ
- 購入時にかかる自動車取得税 (課税標準額×3%)
- 購入時と車検時にかかる自動車重量税(車両重量0.5トンにつき4,100円)
- 毎年かかる自動車税(排気量毎に年額を設定)
- 軽自動車税(年額1万800円)
エコカー減税とは、国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準値をクリアした、環境性能に優れた自動車に対する税金の優遇制度です。 対象となる新車を購入した場合、「自動車取得税」と、新車新規検査の際に納付する「自動車重量税」が減税されます。 また、自動車グリーン税制により、翌年度の「自動車税」も減税されます。
適用期間
- 自動車取得税(取得税) : 平成27年4月1日~平成29年3月31日
- 自動車重量税(重量税) : 平成27年5月1日~平成29年4月30日
適用内容
- 減税対象車について、適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限り、特例措置が適用(1回限り)
- 重量税について、「免税」が適用された後の初回継続検査等(2回目車検)についても「免税」が適用
- 重量税について、平成27年度税制改正により減税対象外となるもののうち、平成27年度燃費基準達成車においては、適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限り、本則税率が適用(1回限り)なお、初回継続検査等(2回目車検)時に受けられる減免措置については、車検証の有効期間が満了する日から起算して15日を経過する日までに車検証の交付等を受けた場合に限り適用されます。
(※エコカー減税の詳細については国土交通のホームページ参照)
では、実際にハイブリッド車と減税対象車でないガソリン車を購入した場合を比較してみます。
<試算例> とあるメーカーの車種をガソリン車とハイブリッド車で比較してみました。
エコカー減税非適用車
総費用:3年で27万9,500円。
エコカー減税適用車
総費用:3年で12万8,500円
両者の差は15万1,000円となりました。
では、車両取得の際の差額はどうなるか見てみましょう。
価格差は約26万円となりました。
では、26万円プラスしてハイブリッド車を購入した場合、 この価格差を維持費(ガソリン代)の差で取り戻せるか、検証してみます。
ガソリン代
ガソリン価格の全国平均が110円/L(2016年4月当時)。
走り方によって燃費はかなり変動しますが、ハイブリッドカーは25km/L、ガソリン車は15km/L走ると仮定して計算してみます。
すると約9万キロ走ると、購入差額の26万円の元が取れるという計算になりました。 地球一周が約4万キロですので、地球約2周分、日本の本州が約1500kmと考えると、本州を30往復してようやく元がとれる計算です。100kmのドライブを900回。10年乗ったとして年に90回100kmのドライブをすると元が取れます。
今回はシンプルに購入差額をガソリン代で埋めるということで比較計算しましたが、最近はガソリン車の燃費も向上してきていますので、よほど短期間で長距離走らない限り、トータルコストを考えると、ガソリン車の方がコストメリットがあるといえるでしょう。
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