今回は、2024年5月に入社し、『ひとり経営企画室』として活躍してきた伊東孝之さんに、インターネット広告会社、エネルギー企業の社長というキャリアからスマートドライブへジョインした理由や会社を牽引する思い、そして経営企画室としてスローガン的に掲げている「鳥の目、虫の目、魚の目」についても伺いました。
サッカー少年から電力会社の社長へ
Q:学生時代から、現在までの道のりをお聞かせください
伊東: 小学校から高校までサッカー中心の生活でした。ファンタジスタに憧れて味方を含めて見ている人を驚かせるプレーにこだわっていたので、監督としては使いづらい選手だったと思います。そういうプレースタイルを通じて、我を通すには結果が必要ということと、一人の力では限界があるということを学べたかなと思っています。
大学ではサッカーには区切りをつけ、社会学に近い分野を学んでいました。キャリアのスタートは、インターネット広告会社で、アルバイトからそのまま入社し、最初の6年間を過ごしました。最初の3年はウェブメディアの広告収益最大化、後半の3年はスマートフォンの普及に伴う新規事業開発部門で、アプリの開発などに携わりました。
新規事業開発では、海外の事例に触れる機会が多く、グローバル市場の発想やスピード感に刺激を受け、「世界で通用する視点を持たないと、今後ビジネスできない」と感じて退職。英語ができないと始まらないと思い、1年間フィリピンとイギリスで語学留学をしました。異文化の中で考え、伝え、交渉したこの期間の経験は、マレーシア拠点をはじめとする海外チームとのやり取りをする今の仕事でも大いに役立っています。
帰国後は、再生可能エネルギー事業のLooopに入社し、9年間で太陽光発電のマーケティング、電力小売事業への参入、電動バイク事業への出向、全社的な経営戦略の策定など、多岐にわたる経験を積みました。最終的には、銚子市との合弁会社である銚子電力の社長を3年間務めました。
Q:銚子電力の社長を3年間務めた経験で、最も大きな学びは何でしたか?
伊東: 4人ほどの小さな会社だったので営業はもちろん会計などのバックオフィス業務まで全てを自分でこなす必要がありました。まずぶつかった壁は、「判断の基準がない」中で、自分でその基準を作り、意思決定していくことでした。
この経験を通じて、「社長という役職は特別なものではなく、ただ上司がいないだけか」とわかりましたし、「組織の中の全レイヤーの判断基準を知ることができた」ことも大きな学びでした。各部署がどのような基準で意思決定しているかを体感できたことは、現在の経営企画室の業務に活きています。

スマートドライブ参画へ 「第二創業期」への期待
Q:スマートドライブへ入社を決めた理由は何でしょうか?
伊東: 事業そのものが非常におもしろそうだと感じたからです。フリートマネジメント領域で独立系シェアリーダーのポジションにあること、そして海外展開の可能性もあるというポジショニングに魅力を感じました。
また、上場を経ての「第二創業期」、次の成長をつくるフェーズで、挑戦できる環境に身を置いて、多くの機会と成長の可能性があると感じたことが大きな決め手です。
Q:入社前後のイメージで、ギャップはありましたか?
伊東: あまりギャップを感じないタイプなんです。変に期待しないと言うか、完璧な組織は存在しないので不安も感じませんし、「こうなっているのか」とそのまま受け入れ、スタート地点を確認する感覚です。もし現状がイメージと異なっていても、「自分が変えればいいだけ」ですから。
Q:入社して印象に残っていることはありますか?
伊東: SmartDrive Box の立ち上げや、他社とのアライアンス強化など、この一年でも変化のスピードを強く感じました。経営企画室としては、短期的な成果(売上・KPI)と、中長期的な挑戦(新規事業・制度設計)の両輪をどう回すかを常に意識しています。
今の数字を伸ばしながら、未来をつくる。その両立がスマートドライブの面白さだと感じています。

ひとり経営企画室が意識する「目」
Q:現在、経営企画室は具体的にどのような役割を担っていますか?
伊東: 会社全体を俯瞰しながら動いています。予算策定と進捗管理、海外子会社(マレーシアなど)の管理、そして新規事業の立ち上げ、資本業務提携の推進など多岐にわたります。
取締役陣や各本部長はもちろん、現場のあらゆる部門と連携を取り、会社横断的に事業の推進力を高めることがミッションです。
Q:その中で、スローガン的に掲げている「鳥の目、虫の目、魚の目」について詳しく教えてください。
伊東: 経営企画の仕事をする上で、短期と中長期、細部と大局、手堅さと攻めをバランスさせることが必要だと感じています。意識しているのが、事業を大きくするために着実にやるべきことを行う正攻法の活動と、新たな市場を切り拓く取り組みを多角的な目で見極めていくことです。
主力サービスのSmartDrive Fleetの売上を伸ばすなど、既存のモビリティデータ活用領域において確実に成果をあげてシェアを獲得していくのが正攻法ですが、その際に必要になるのが、現場や細かい部分を見る「虫の目」と世の中の流れやニーズなど様々な変化を感じる「魚の目」です。
一方、「鳥の目」で全体像を見ることで既存のルールや市場にとらわれず、モビリティデータの未来をイチから創造し、新しい市場そのものを切り拓いていく新たな挑戦も必要になります。こちらは新サービスや商品の開発を行い、特定の市場で圧倒的な立場を築く中期的な取り組みだと捉えています。
まずは虫と魚の目で確かな成長を遂げることで、鳥の目で見定めた中期的なビジョン達成に資する活動へのリソースが増え、さらに大きな挑戦が可能になります。スマートドライブは、この両輪に取り組み、成功できるポジション、フェーズにあると感じています。

求める人材像:「壁がない人」
Q:伊東さんが「一緒に仕事をするのが楽しい」と感じる人物像を教えてください。
伊東: 二つあって、一つは自分より優秀な人。もう一つは「壁」がない人です。部署や役割の“壁”、好奇心の”壁”、能力の”壁”をつくらない。もっと言うとそもそも壁自体を意識せず、自然とどうしたらできるかを考え、越境して動ける人に魅力を感じます。経営企画室は、CEOの北川さんはもちろん、CFOや本部長、営業、CS、開発など、全社を横断して動く部署です。
全体を見渡しながら、柔軟に動ける人にとっては、やりがいのある環境だと思います。
Q:最後に、特に経営企画室や新規事業の推進に携わりたい方へ、メッセージをお願いします。
伊東: これまで仕事でもプライベートでも『ルールを守るよりつくる方が楽しかった人』には向いていると思います。ただ、ルールをつくるには今のルールへの深い理解が必要ですし、関わる人たちの機微を汲み取ることも求められますので、壁をつくらず一緒に学んでいける仲間を待っています。
スマートドライブは、各分野のスペシャリストが多く頼りになる人ばかりですが、そこに違う視点から新しい価値を創造できるような人をもっと増やしたいと思っています。
常日頃アウトプットはインプットに比例すると考えていまして、正しくインプットしていれば機会は必ず来るので、その中で自分の基準をつくりながら進めていける人に来てもらえたら嬉しいです。

編集後記
伊東さんの言葉には、冷静さの中に挑戦への熱があります。
きっと、10年以上取り組んでいたというサッカーの試合中も、冷静に試合の流れを見極めてファンタジスタ的なプレーを見せていたのではないでしょうか。
「鳥の目、虫の目、魚の目」という言葉も、現在のスマートドライブの状況と経営企画室の課題を象徴している言葉だと感じます。短期と中長期、細部と大局、手堅さと攻めの絶妙なバランス。
「自分の能力に区切りをつけない」「ルールを作る人になりたい」、そんな挑戦意欲を持つ方は、ぜひスマートドライブ経営企画室の門を叩いてみてほしいです。
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