2025年6月、スマートドライブから新たなサービス「SmartDrive Box」が正式リリースされました。業務車両の書類管理をクラウド上で一元化することで、“紙とExcel”に頼った煩雑な管理からの脱却を目指すこのプロダクト。実は、その裏にはわずか半年という短期間での立ち上げと、メンバーの熱意が込められた開発ストーリーがありました。
今回は、プロジェクトを牽引した事業責任者の岩田卓也さん、そして開発を担当したエンジニアの渡邉裕太さんに、その誕生秘話と今後の展望を伺いました。本記事を通じて、当社がどのように顧客課題と向き合い、新しい価値を創出しているのか、その舞台裏をぜひ感じていただければと思います。
新幹線での再会が呼んだ“偶然の入社”
SmartDrive Boxの事業責任者を務める岩田さん。実はスマートドライブへの入社は、“偶然の再会”がきっかけでした。
「前職時代、大阪出張へ向かっている新幹線の車内で、前々職で隣のチームだった先輩、現在はスマートドライブの取締役を務める元垣内と偶然の再会を果たしました。4年ぶりくらいだったと思うのですが、向こうから声をかけてくれて、本当に奇跡的でした。普通、気づきませんよね(笑)。そこから話を聞く機会を改めてもらったりして、会社のビジョンに共感して入社を決めました。」
その後、高齢者の運転見守りサービス「SmartDrive Families」や複数のプロジェクトを担当し、新規事業創出のミッションとしてSmartDrive Boxプロジェクトへとアサインされることになります。

多様な経歴、人のつながり、“モビリティ”へ
一方の渡邉さんは、多様な経歴を持つエンジニア。キャリアの始まりは不動産会社の事務職からスタートしエンジニアに転向後、金融、農業など様々な事業ドメインでシステム開発を経験。前職ではスタートアップで開発責任者も務められていました。
「モビリティというテーマに惹かれたのと、開発組織の雰囲気がすごく自分に合いそうだと感じたのが決め手でした。実は、前職の同僚や知人との“つながり”もスマートドライブとのご縁にもつながっていきました。」 入社後は別ユニットでSmartDrive Fleetの通知関連の開発を担当したのち、SmartDrive Boxプロジェクトに合流 します。
“何をやるか”すら決まっていない状態からスタート
プロジェクトが本格始動したのは2024年6月。
とはいえ、「最初からSmartDrive Boxを作る」と決まっていたわけではありませんでした。
「スマートドライブとして、SmartDrive Fleetに続く“新しい柱”を作ろうという方針はありましたが、どんなプロダクトにするかは白紙の状態でした。数ヶ月間は、何ができるのかを模索する毎日でした」(岩田さん)
チームはSmartDrive Fleetの主な顧客であるバックオフィス領域と親和性のある経費精算や請求書受領なども検討しましたが、「私たちがやる意味があるのか」という疑問が浮かび、立ち止まることになります。
書類管理の“闇”と向き合って見えた本質
既存のお客様も含めて約30社にわたるヒアリングを実施した結果、共通して浮かび上がってきたのは、「属人化」「紙」「分断された情報管理」といった課題でした。
「SmartDrive Fleetをご利用のお客様を中心にユーザーインタビューを行っていく中で車両管理者の方々のペインが段々と浮き彫りになってきました。」(渡邉さん)
【見えてきた共通課題】
「属人化」:車両の管理については、特定の部署・部門でなく総務部や経理部など通常の業務と兼務されている ケースが多くまた人員も満足に配置されない現状がある様でした。少ない人員で独自の効率化を図った結果、引 き継ぎも難しいといった話も。
「紙」:車両に関する業務は紙をベースにする習慣がまだ根強く、多くの企業では完全なシステム化に至れてい ない現状。
「分断された情報管理」:属人化した業務やアナログの車両データを統合する事は非常に難しく部門間の情報伝達 が上手くいかず、車両調達に遅れが出たり、余計なコストを支払うといった問題も発生。
また、SmartDrive Fleetはアルコールチェックや日報の自動作成など車両を日常的に”使う”にあたって発生する管理を支援できている一方で、車両に関連する契約やコスト管理など車両を”持つ”にあたって発生する管理を支援はできていませんでした。
そこから「車両を “持つ” 管理が手間なく安心安全に」をコンセプトとし、SmartDrive Boxの原型が生まれました。
集中力と結束力で乗り越えたリリース前夜
β版のリリースは2025年1月。通常なら1年かかる新規プロダクト開発を、わずか半年で進めた開発チーム。
「1/14にβ版リリースを控えていた為、年末年始の期間実家に帰省しながらも開発に参加してくれていたメンバーもいて、本当に全員でやりきったプロジェクトでした」(渡邉さん)
背景には「今期中に成果を」という経営からの明確なゴール設定もありました。スピードと品質を両立させる難しさのなか、チームは集中力と結束力で乗り越えたのです。
“名もなき家事”をなくす、車両管理の未来へ
SmartDrive Boxが目指すのは、車両の調達から運用、そして廃車までの「ライフサイクル全体の見える化と一元管理」です。
「車両管理者は、“名もなき家事”のような細かく目立たないタスクを日々こなしています。それが属人化や不安につな がっている。SmartDrive Boxでそうした不安を一つずつ減らしたいんです」(岩田さん) 「現時点ではカバーしている業務範囲は一部。今後はもっと拡張し、バックオフィスの現場を支える存在になっていき たいです」(渡邉さん)
終わりに──「志半ばの半ば」から
わずか半年でサービスローンチまで駆け抜けてきたSmartDrive Box。その裏には、偶然の出会いと再会、悩みと模索、そして信じて進んだチームの努力がありました。
「まだ“志半ばの半ば”ですが、ここからが本番。お客様の声を受け止めながら、もっと良いサービスにしていきます」(岩田さん)
SmartDrive Boxの挑戦は、ここから本格的に動き出します。
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