(冒頭の写真は弊社オフィス内のミーティングルーム "Tokyo" の入り口です)
こんにちは、スマートドライブ人事の永井です。
今回は、直近半年の弊社における新型コロナウイルス対応や、その過程で組織という枠組みをとおしてAfter/Withコロナを見た際の所感なども含めてお伝えできればと思います。
おそらくこれを読んでいらっしゃる方々の会社においても、新型コロナウイルスによってこれまでの働き方を大きく変えることになったり、今後の働き方についてもいろいろと模索されたりしている最中なのではないかと想像しています。
急速普及したリモートワークとオンラインミーティング、再定義されるオフィスの真価
コロナ以前もリモートワークを取り入れている会社や、フリーランスの人たちを中心とした場所を選ばずに働いている人たちというのは一定数いました。またここ数年は、フリーランスエンジニアとして生計を立てる人たちも急増したことで、1つのトレンドとしてフリーランスという働き方や、それに伴うリモートワークは徐々に市民権を得ていたと認識していました。
それを今回の新型コロナウイルスは、IT業界やスタートアップ界隈「以外」の業界・会社においても半ば問答無用に検討・導入を強いていったいうのが、ここまで急激なリモートワークやオンライン化の下地となったのだと思います。
コロナがなければ当面またはほぼ永久にリモートワークが導入されることがなかったであろう会社においてさえも検討せざるを得ず、もちろんそれでもすべての企業がリモートワークやオンライン商談を常態化したわけではないものの、そうシフトした企業を相手にした際にそれなりの理解は示す必要が生じているという意味で、もはや新しい常識となったような雰囲気すらあります。
また、社内外のミーティングがオンライン化し、出社せずに自宅で働くという人が大半になった会社においては、オフィスは無人化し無用の長物となります。それでも当然賃料は発生することから、多くの企業がこの半年間でオフィスの見直しを迫られてきたのではないかと思います。
実際にオフィスを解約し、当面はオフィスなしの完全リモートワークという決断をした会社もそれなりにあるようですし、完全解約までいかずともスペースを縮小した会社や、それを検討中の会社も多いようです。
一方で、リモート化やオンライン化がすさまじいスピードかつスケールで進行した反動として、それによって失われたものの影響というのも、最近は徐々に見え始めているのではないかと思います。
また、緊急事態宣言中は保育園・幼稚園や小学校等の子どもたちが登園・登校できない状況になってしまったことで、親が毎日家で子どもたちのケアをしつつ自宅勤務しなければいけないという状況もありました。
多くの人にとって初めての経験だったと思いますが、子どもの相手をしながら自宅で仕事をする大変さを痛感するという時間になったのだと思います。皮肉なことに、それよってオフィスで仕事に集中できる環境があるということのメリットも再認識することになったりもしたのだと思います。
弊社で行ってきた主な取り組み
4月からの全社的なリモートワークへの移行以来、以下のような取り組みを弊社では行ってきました。
▼感染対策
全ワーカー(社員、業務委託、派遣社員など)におけるリモートワークを始め、社内ミーティングをすべてオンラインに移行するとともに、社外ミーティングや商談についても先方と相談しできる限り早い段階でオンラインに移行するよう進めました。
また、オフィス内に手指消毒を設置し、執務スペースやミーティングルームにおいても常時換気に取り組み、出社してオフィスで業務をする際もマスクを着用し三密を避けるなどを図ってきました。
熱があったり体調不良時は家で安静にし、不安がある場合は速やかに適切な医療機関に相談、受診することを徹底して、オフィスでのクラスター感染のリスクも可能な限り低減させることで、これまでのところ社内感染者ゼロという形に抑えられています。
▼健康対策
外出自粛や働く環境がいきなり大きく変わったことにより、フィジカル・メンタル両面が不安定になりがちであることをふまえ、以前より導入していた医師によるオンライン医療相談などを活用したり、人事においても社員との1on1の機会を増やし、オンラインお茶会なども実施して、できるだけ社員の顔を見てコミュニケーションが取れるようにし、何か異変を感じた時はすぐに個別対応できるように気を配っていました。
▼コスト対策
弊社のお客様やパートナー企業様においてもコロナウイルスの経済的影響は大きく、結果として弊社においても事業計画の大きな変更が迫られる事態となりました。その中で、今回のような予期せぬ惨事が生じた際にもうろたえなくても済むように、会社としては想定外に備えてサステナブルな体制をつくっておかないといけないということ、コストに対する意識が甘かったことを反省し、あらゆる固定費・変動費の見直しを行いました。
成長の影に隠れて見過ごされがちだったコストにしっかり光を当て、その必要性を再確認していくというプロセスは決して楽しいものではありませんが、そもそもコロナに関係なくやるべきだったのにやれていなかったことが多々あり、それを直視しなければならなかったというのは、組織しては結果として良いことではありましたが、多くの反省点を突きつけられるプロセスでもありました。
▼コミュニケーション施策
顔を合わせてコミュニケーションできる機会が激減したため、可能な限りオンラインでのコミュニケーションを増やすため、slack以外にもオンラインチャットツール(discord)を導入したり、定例ミーティングの数も増やしつつ、別枠で社内のオンライン企画として快適なリモートワーク環境をつくるためのTipsをシェアするセッションを行ったり、社史を遡ってでエピソードをシェアするセッションなど、できるだけ多くの切り口でコミュニケーションを取る時間を増やしてきました。
月1の全社ミーティングに関してもすべてオンラインで実施する中で、できるだけ会を盛り上げるべく司会進行役がスピーカー間のつなぎやファシリテーション、全体からの質問を拾ってQ&Aするなど、ライブ感を感じてもらえるような工夫もしてきました。
▼完全リモートから週1オフィスのハイブリッドワークへ
8月後半までの4ヶ月間は丸々フルリモートという働き方でしたが、コロナウイルスや感染症は待てばなくなるというものでもなく、ワクチンがいつ一般普及するのか、その結果終息するのかどうかというのはまだ誰にもわからない中で、単に座して待つというわけにもいきません。
現在の感染対策がワクチン以降も継続していくことになるかもしれないことを前提に(インフルエンザのように型の違うコロナウイルスが出てきた場合は何度でも感染してしまうことが判明したり)、その状況下で組織としていかにアウトプットの最大化できるかということを模索するため、8月後半から週1程度のオフィスワークを取り入れてみて、オフィスとリモートのハイブリッドお試し期間として運用し始めました。
この4ヶ月間で、出社や移動がなくなったことによる恩恵も多々あった一方、face-to-faceのコミュニケーションが極端に減ったことに起因すると考えられるミスコミュニケーションや情報共有の課題も露見しました。個人ベースではリモートワークでアウトプットを向上させられたと感じていたとしても、チームや組織単位で見たときには必ずしもそうとは言い切れないかもしれない、そんなケースも目にするようになりました。
そこで、今後の働き方やオフィスワークの利点を検証するために、まずは一旦週1回(強制ではなく)程度出社して face-to-face の時間を復活させながら、会社のアウトプットにどう影響するかをモニタリングするフェーズが始まったと捉えています。同時に、引き続きオンラインで済むことはオンラインで済ませていき、何がface-to-faceでこそやるべきなのかという見極めができればと思っています。
この問いは、コロナウイルス云々とは別に、とても本質的な問いなのではないかと考えています。
想定外に対応していく
コロナウイルス以外にも、地球規模での気温上昇による気候変動などによって、これまでになかったような病気や伝染病、自然災害等に対応していかなくてはいけない時代になっているのかもしれないことを考えると、働き方を含めた人間のライフスタイルが、今後ますます変化していかなくてはいけないのかもしれません。
そうだとすると、どんな状況下においても変化することを厭わずスピード感を持って対応すること。それが個人においても組織においてもサバイバルのための重要なスタンスになっていくのでしょう。
今年の元旦を迎えた時、2020年は人生最初で最後の東京オリンピックの年になるのだと疑いもしませんでした。それが、まさか地球規模でこんな厳しい局面を迎えることになろうとは誰が想像したでしょう。ビルゲイツのように以前からパンデミックの警鐘を鳴らしていた人たちはいましたが、ほぼ全人類において寝耳に水で、圧倒的に準備不足でした。
今年も残すところ3ヶ月程度です。
2020年は、残念ながら後世に「コロナウイルスの年」として語り継がれる年になるのだと思いますが、会社としてもこの激動の年を乗り越え、次のステージに進めるように一丸となって変化に対応していきたいと思います。
皆様におかれましてもコロナウイルス感染には引き続き十分に気をつけていただき、この逆境下においても成長できる個人・組織として進んでいけるよう共にがんばりましょう。
それでは、また次回のエントリーで!
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